(4)　児童生徒の資質や能力を伸ぱす教材の工夫
　児童生徒一人一人のよさや可能性を生かし、それを高めたり、心を豊かにしたりする学習活動ができるものとして教材をとらえることが大切である。

　児童生徒が自ら考え、判断し、表現するためには、自校や地域の特色が反映された魅力的な教材を選択したり、開発したりする必要があり、次の点に留意する。

1)児童生徒が思いを寄せて積極的にかかわっていくことができる教材を選択する。

2)　児童生徒が自ら考え、主体的に判断したり、表現したりする学習活動ができる豊かな教材を選択する。

3)　複数の教材を用意するなど、児童生徒の多様な実態に応じた教材を選択できるようにする。

4)　児童生徒の日常生活などを考慮した地域素材を開発する。

5)　児童生徒一人一人に応じる補助的な教材の開発・作成に努め、効果的な活用を図る。


(5)　教職員や児童生徒のよさを生かす工夫

　教職員と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を豊かにし、互いのよさに共感し合うことができるような学級集団の醸成に努めるために次の点を考慮する。

1)　児童生徒のよさや可能性を積極的に生かし、一人一人のものの見方や考え方を大事にする。

2)　個性を伸ばし、個に応じる観点に立ってT・Tの導入などの学習活動を計画する。

3)　異年齢の児童生徒のかかわりを重視した学習活動の場や機会を設定する。


(6)　家庭や地域社会の人々のよさを生かす工夫
　学校と家庭や地域社会が一緒になって児童生徒を育てていくという視点から連携を深めるために次の点に考慮する。

1) 児童生徒が家庭や地域社会において保護者や大人と豊かな体験をする場や機会を通じて、互いのかかわりを深める。

2)　地域社会の人々に教育活動が理解されるよう工夫するとともに、協力を要請するなどして地域社会の人々のよさを生かすようにする。


(7)　教育目標具現化のための評価

　児童生徒の目標達成状況を絶えず評価し、その評価を指導法等の改善に生かすという視点を一層重視するために次の点を大切にする。

1)　教師、児童生徒の反省や評価を学校経営等に生かす。

2)　指導の成果及び指導の過程における児童生徒の学習に対する努力や意欲などを評価し、学習意欲の向上に生かすようにする。

3)　教師による評価とともに、相互評価、自己評価を適切に行い、児童生徒に学習が成立するための評価とする。

4)　全職員で定期的に評価を行い、成果や課題を確認し、指導方法等の改善を図る。

5)　学年末の評価は、評価の対象、観点、基準、方法等を明確にして行い、次年度に成果と課題を生かす。



二　基礎学力向上を図る学習指導

　一学力向上IDプランの推進を通して一

　児童生徒一人一人の基礎学力の向上を図るためには、児童生徒の学習努力を促すだけでなく、まず教師自身が学習指導の改善・充実を目指すことが重要である。

　各学校においては、これまで二年間のIDプラン推進の成果や課題を踏まえながら、自校の課題決のために、教師一人一人の効果的な指導とともに、学校の組織をあげた計画的な実践が必要である。

　また、市町村教育委員会IDプラン推進会議と連携を図りながら進めることも重要である。

　学力向上IDプラン推進の趣旨及び各学校での実践に当たっての努力点は次のとおりである。


l　IDプランの趣旨
　学力向上IDプラン推進のねらいは、教師一人一人の日常的な実践及び学校としての教育実践を、評価を通してたえず見直し、指導方法の工夫改善を図り、児童生徒一人一人の個性の伸長や基礎学力の向上を図るという学校教育本来の機能を高めることにある。

　したがって、学力向上IDプランは、特別なことをするのではなく、教育課程の効果的な実践であり、日々の授業の充実を目指すことである。


2　各学校のlDプランの努力点

(1)　自校プランの実践と改善

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