教育福島0218号(1999年(H11)4・5月号)-014/52page

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表現させる工夫をし、多様な価値意識を引き出して、自分と比べてみる学習を通して価値を内面的に感得させる。

(4) 終末の段階では、一時間の学習によって高められた価値意識を持続するように配慮する。


4 環境による指導

「人は環境をつくり、環境が人をつくる」とも言われる。道徳教育にとって、望ましい環境を積極的につくっていくことは、児童生徒の心に好ましい刺激を与えたり、道徳教育の日常化を図ったりする上で、大切な役割をもっている。

児童生徒の豊かな心を育て、道徳的実践意欲を高めるのに役立つよう、次の点に留意して学級や学校における人間関係を充実するとともに、校舎・校庭や教室等の環境整備に努めたい。

(1) 日常における教師の言葉かけなど、日常生活の何気ない小さな教育活動の積み重ねが人的環境の基本であるととらえる。

(2) 教師と児童生徒との愛情豊かな信頼関係を基盤に、児童生徒相互が、認め合い、助け合い、励まし合い、学び合う機会を積極的に設け、人間関係を譲成する。

(3) 環境美化や整理整とんの指導で重要なことは、まず、それらを児童生徒自身の問題としてとらえさせることである。そして、勤労体験等を積極的に行い、実践意欲を高めながら物的環境を整備していく。

(4) 道徳に関する情報コーナーなど掲示や展示の工夫をしたり、教育の場にふさわしい言語環境を整えたりして、児童生徒の意識に効果的に働きかける環境づくりをする。



四 特別活動の充実

特別活動の指導は、望ましい集団活動を通して、なすことによって学ぶことであることを根底に据えて展開することを大切にし、次のような学力を身に付けさせていく。

集団の中で、どのように行動することが望ましく、学級や学校生活をより充実させるには、どうしたらよいかなどという「価値選択能力」を身に付け、教科等で学んだ様々なことを総合して、創意工夫したり計画したり役割を遂行したりする力

そのために、特別活動の指導の改善・充実を次の視点から工夫することが大切である。

1 児童生徒が課題意識をもって取り組み、思考や活動が豊かに広がるようにする。

(1) 児童生徒が、自分たちの学級や学校生活を自分たちの力で充実・向上させようとする意図のもとに、互いに協力して実践することが大切である。教師主導から児童生徒中心の授業へ転換し、学級活動等における題材等を工夫して個々の児童生徒の課題意識を高め、主体的に活動できるように授業を改善する。

(2) 授業において児童生徒の思考や活動が豊かに広がるように工夫しながら、日々の生活上の諸問題を適宜取り上げて解決への意欲を高めるようにする。

(3) 活動の過程で、児童生徒同士が互いのよさに気付き、認め合い、励まし合って取り組めるようにすることも大切にしたい。

2 主体的に実践する場と機会を工夫し、活動を温かく見守る。

(1) 児童生徒の内発的な活動意欲を喚起し、その思いや願いを生かした主体的な活動が展開できる場と機会をできるだけ多く設定することが大切である。

(2) 学級活動、児童会・生徒会活動、クラブ活動においては、これまで以上に児童生徒が主体となって活動できる環境を整えるとともに、児童生徒の手で作成した活動計画等をもとに活動する時は、温かく見守ることに努める必要がある。



五 生徒指導の充実

生徒指導の意義は、積極的にすべての児童生徒の人格のよりよい発達を目指すところにあり、次のことをねらいとしている。

一人一入の児童生徒の個性の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や能力・態度を育成し、さらに将来において自己実現ができるような資質・態度を形成していくための指導・援助であ


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