必要がある。


1　幼稚園教育の基本の充実

(1)　教育内容に基づいた「環境を通して行う教育」が計画的に進められるように、幼児の理解に努め、幼児が教師や友達と共に生活する中で、主体性を十分発揮したり、可能性を開いたりしていけるようにする。

(2)　幼児の発達していく姿を総合的にとらえながら、発達に必要な経験が得られるように環境を構成し、幼児が「遊びを中心とした生活」の中で、心身の調和のとれた全体的な発達の基礎を築いていけるようにする。

(3)　「幼児期にふさわしい生活」の中で、幼児に流されるのではなく、一人一人の特性に応じ、発達の課題に即しながら幼稚園教育の目指す心情、意欲、態度を育んでいけるようにする。

また、一入一人の独自性を大切にしながらも、お互いが影響し合い、集団の教育力が生かされるように配慮する。


2　教育内容の改善

(1)　生きる力の原動力となる心身共に健康な生活を送っていけるように、幼児が、教師や友達との温かい触れ合いの中で、自己の存在感や充実感を味わい、友達のよさに気付いていけるようにする。

(2)　自我が芽生える幼児期の発達の特性を踏まえながら、友達との生活の具体的な場面で、幼児が社会生活に必要なルールや道徳的な価値、そして、それを実現していく力を身に付けていけるようにする。

(3)　自然とじっくり触れる機会を積極的に生み出したり、異年齢の子供や高齢者等幅広い世代との交流を図らせたりしながら、体験が豊かになっていくようにする。

(4)　環境にかかわって遊びながら気付いたり、考えたり、工夫したりして、幼児期なりの知的な発達が促されるようにする。

(5)　友達と多様な経験をしながら友達と過ごす楽しさを味わえるようにし、集団とのかかわりの中で、幼児一人一人が生かされるようにする。


3　計画性のある指導

(1)　幼稚園教育の目的や目標に向かって、幼児がそれぞれの発達の時期に必要な経験を主体的に積み重ねていけるようにする。

(2)　発達の道筋を見通した教育的に価値ある環境を計画的に構成する。また、幼児の活動の展開に応じて、意味のある状況になるように環境を再構成する。

(3)　幼児の興味や関心の在り方、環境へのかかわり方、そして、発達の実情などを理解しながら、活動が精選されるようにする。

(4)　幼児の育ちつつある面やよさに目を向けた評価を行うように努める。そして、その幼児らしい動きができるように保育を見直し、計画や指導の改善につなげていく。

(5)　長期的な視野に立って、幼児の経験の深まりを見通し、今、求められている学校教育の新たな方向を見据えた教育課程を編成し、改善していく。


4　教師の役割

(1)　物的・空間的環境を構成し、その環境の下で幼児一人一人の行動と内面を理解しながら、心の動きに沿った保育を展開できるように努める。

(2)　自分の判断の基準を幼児に押しつけるのでなく、幼児の姿を肯定的に受け入れたり、温かな期待を寄せたりしていく。

(3)　幼児の中に、生涯にわたって生き続ける道徳的な感性や、自分を主張したり、感情を抑えたり、相手を思いやったりする経験が積み重ねられていくようにする。

(4)　教職員全員が日頃から連絡を密にして、協力しながら全員で一人一人を育てるという意識をもって保育を行うようにする。


5　これからの幼稚園

(1)　保護者と教師はもちろん、地域の人々全体と、幼児を大切に思う者同士としての信頼関係を育てていく。また、ボランティアや地域の人材を活用して、幼児の自然体験や社会体験を豊かにしていく。

(2)　子育て支援のため、幼稚園の施設や機能を地域の人々に解放して地域の幼児教育センターとしての役割を果たしていく。

(3)　幼稚園での遊びを中心とした指導と小学校での指導が、一貫した流れの中でできるように、互いに理解し合えるようにしていく。

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