指導校」、通級による指導を受けている児童生徒が在籍している学校を「在学校」と呼んでいます。さらに、児童生徒が在籍している学校の通級指導教室に通う場合を「自校通級」、他の学校に設置されている通級指導教室に通う場合を「他校通級」と呼んでいます。
3 教育課程
通級による指導の対象となる児童生徒は、各教科等の指導を通常の学級で受けていることから、基本的には小学校学習指導要領又は中学校学習指導要領によることとなります。ただし、通常の教育課程に加えて、又はその一部に替えて障害に応じた特別の指導を行うことから、特別の教育課程を編成することができるようになっています。
障害に応じた特別の指導とは、障害の状態の改善・克服を目的とする指導、すなわち養護・訓練の指導を指しています。ただし、特に必要がある場合には、障害の状態に応じて、各教科の内容を補充するための特別の指導を行うこともできるようになっています。
指導に係る授業時数は、障害の状態の改善・克服を目的とする指導は週当たり一〜三単位時間を標準とし、当該指導に加えて各教科の補充指導を行う場合は、おおむね合計週当たり八単位時間以内とされています。
二 本県における通線による指導の現状
1 通級指導教室の設置状況
平成十年五月一日現在における本県の通級指導校及び教室数、通級による指導を受けている児童生徒数は、表2、表3のとおりです。
なお、本県では、難聴特殊学級を、県北、県南、相双地区に各一校設置しています。言語障害特殊学級については、言語障害通級指導教室の設置に伴い、平成八年度以降設置していません。
2 通級指導教室における指導内容
(1) 言語障害通級指導教室では
対象となる児童生徒のもつ問題は複雑多岐にわたっているため、児童生徒の言語及びコミュニケーション能力等についての実態を十分把握した上で、次のような指導が行われています。
1)正しい音の認知や模倣、構音器官の運動の調整、発音・発語の指導など、構音の改善にかかわる指導
2)遊びの指導、劇指導、斉読法などによる話し言葉の流ちょう性を改善する指導
3)遊びや日常生活の体験と結びつけた言語機能の基礎的事項に関する指導
4)話すことの意欲を高める指導 等
(2) 難聴通級指導教室では
難聴児の指導については、保有する聴力の活用が優先されます。そのため、保有する聴力の活用に関する指導として、次のような指導が行われています。
1)補聴器を適切に装用する指導
2)聴覚学習として聴く態度の育成、聞き取りの練習、音声の聴取及び弁別の指導 等
また、言語指導としては、次のような指導が行われています。
3)日常の話しことばの指導
4)語い拡充のための指導
5)言語概念の形成を図る指導
6)日記等の書きことばの指導 等
これらの言語障害通級指導教室、難聴通級指導教室のいずれの場合においても、個別指導を中心とし、必要に応じてグループ指導
表2 本県における通級指導校及び通級指導教室数(HlO.5.1現在)
種別 |
通級指導校名 |
教室数 |
言語障害通級指導教室 |
福島市立福島第四小学校 |
3 |
保原町立上保原小学校 |
4 |
二本松市立二本松南小学校 |
1 |
郡山市立橘小学校 |
1 |
須賀川市立須賀川第一小学校 |
1 |
会津若松市立鶴城小学校 |
2 |
相馬市立桜丘小学校 |
2 |
原町市立原町第一小学校 |
3 |
浪江町立浪江小学校 |
1 |
いわき市立平第二小学校 |
2 |
いわき市立植田小学校 |
1 |
難聴通級指導教室 |
郡山市立橘小学校 |
1 |
会津若松市立城北小学校 |
1 |
いわき市立平第二小学校 |
1 |
いわき市立植田小学校 |
1 |
いわき市立平第二中学校 |
1 |
表3 本県における通級による指導を受けている児童生徒数(H10.5.1現在)
種別 |
通級の形態 |
合計 |
自校通級 |
他校通級 |
言語障害通級指導教室 |
70人 |
168人 |
238人 |
262人 |
難聴通級指導教室 |
8人 |
16人 |
24人 |