教育福島0219号(1999年(H11)6月号)-020/52page

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特別企画1

学校給食の衛生管理の実際

スポーツ健康課

はじめに

平成十年九月に本県の学校給食センターにおいて発生した食中毒事故は、四月にオープンしたばかりの最新施設からの発生であり、各方面に大きな波紋を及ぼし、本年一月二十日から二十一日の二日間にわたり、文部省等による「衛生管理推進指導者派遣・巡回指導事業における現地調査」が実施されました。

県教育委員会も現地調査に同行し、指導を受けてきました。その内容は次のとおりです。

一 現地調査における改善指導事項

(1) 運営体制

給食センター運営委員会構成メンバーに保健所職員、学校医、学校薬剤師等専門家を配置し、衛生管理の在り方等についての 助言を得ること。

(2) 給食従事者の意識改革

1) ウェット方式からドライ方式への切替えに伴う調理員等の意識改革が不十分なので、 他調理場の視察及び研修等を実施し、望ましい作業方法を習得するとともに意識改革を 図ること。

2) 「学校給食衛生管理の基準」(平成九年四月一日付け文部省通知)及び「これで防ごう食中毒 学校給食における改善したい施設設備・作業五十例」(平成九年文部省編)に基づく衛生的な作業を行うよう意識改革を図ること。

(3) 施設設備について

1) 検収室及びプラットホームの開口部が大きく開放時間が長いので、蠅等の害虫の侵入及び土埃等に対策を講じること。特に蠅は、病原性大腸菌O157を伝播する恐れがあることから十分な対策を要すること。

2) ドライシステムの機能を生かし、水を(床に)流さない、こぼさない作業を行うこと。

3) 靴の履き替え場所で汚染区域用靴及び非汚染区域用靴が交差しないような対策を講じること。

4) 給水栓をレバー式にした意味が理解されていない。またレバーの長さが短く、肘によ る操作ができないので対策を講じること。

5) 各所に食品カス、黒ずみ、臭いなど残らないよう十分な清掃を行うこと。更に、清掃終了後の確認を担当者を決めて実施し、徹底を図ること。

6) 食器洗浄用の洗浄ブラシが硬く、適切な洗浄ができないと思われるので対策を講じる こと。

(4) 各作業について

1) 前日からシンクに「ため水」する消毒方法は、乾燥状態を保つ上から望ましくないので、再検討すること。

2) 検収の仕方については、業者の見ている前で行うこと。特に計量と品温の確認が不十分なので確実に行うこと。

3) 食品を冷蔵庫・冷凍庫等に入れる際は段ボールごとではなく、専用容器に移し替えること。

4) 保存食用容器を密閉式のものに替えること。

5) 冷凍食品は種類に応じ、適切な解凍を行うこと。

6) 各機械器具を正しく使用すること。

 ―(例) 球根皮むき器使用の際は、適正容量を守ること。シンクを使用して洗浄する際は、適正容量を守ること。―

7) 下処理室の三槽シンクの水が互いに行き来し、汚染・非汚染水が混じって三槽の働きをしていないので対策を講じること。

8) 回転釜の横で、しゃもじ等を洗浄することは、汚水のはね水が起こり、二次汚染を引


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