研究実践
平成9・10年度文部省指定教育課程研究
教育課程一般研究主題
自ら「学ぶ力」を培う学習指導の在り方 一個に応じた指導の工夫一
数学科研究主題
個に応じた指導方法の工夫 一効果的なティーム・ティーチングの進め方一
いわき市立泉中学校
一 研究主題設定の理由
本校は小名浜地区南西部の広大な学区に新興住宅地を抱え、生徒数は七百名を超える大規模校である。教育目標の一つに「自ら学び、個性を伸ばす生徒」をあげ、主体的に学習し、学ぶ力を身に付けた人間性豊かな生徒の育成を重点目標としている。
生徒の実態としては、与えられた課題に対してはまじめに取り組むことができる。しかし、教師の指示がなければ、主体的に課題を探し追究することができない生徒が多い。また、自分の考えを的確に表現したり、筋道を立てて考えを練り上げていくことを苦手とする生徒も多い。この実態の背景として、思考の場や表現の場を取り入れた学習指導や個に応じた指導の工夫が十分でなかったことが考えられた。
そこで、一人一人の興味・関心や特性を生かし、個に応じた学習指導を実践することで、生徒の自ら「学ぶ力」を育てようと考え、本主題を設定した。
二 研究仮説
各教科の指導において、教師が生徒の実践を把握し、学習過程での個に応じた支援の仕方を工夫すれば、生徒は主体的に学習に取り組み、学ぶ力を培うことができるであろう。
三 研究実践
(一) 理論研究
(1) 教育課程の検討と学習指導要領の分析をした。
(2) 指導計画に工夫を加え、改善した。
(3) 学習課題の把握から解決まで、生徒が主体的に進め、個々の能力や特性に応じることができるよう学習過程の基本型を設定した。各教科では、これを基本として教科の特質や教材・題材等に応じた学習過程を組織した。
(4) 個人差を質的な面(興味・関心、生活体験、学習タイプ等)と量的な面(到達度、学習速度、学 習時間等)からとらえた。このような考え方に立って、個人差をとらえる手立て、個人差の類型 など、個人差に応じた指導・支援の手だてを設定した。また、学ぶ力を身に付けさせるため 「個人差支援表」を作成し、授業に活用した。
(5) 指導と評価が一体であるとの考え方と観点別学習状況を評価の基本とし、知識や技能を測ることに偏らず、学習の過程における意欲や態度等を重視して評価に取り組んだ。また、自己評価と相互評価を単元の指導計画や学習過程に位置付けて実践した。
(二) 実践研究
(1) 基本的な学習の仕方を身に付けさせるために、学ぶ構えのしつけ(学習態度の訓練)、学ぶ仲間のしつけ(学習集団づくり)、学び方のしつけ(学習方法の訓練)を重視し、学習訓練の定着を図った。
グループ学習における個別指導(数学)