教育福島0219号(1999年(H11)6月号)-033/52page

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(2) 各教科においては、本主題との関わりを明確にして、それぞれのテーマを設けた。実践の際、教科の特質に応じた個人差のとらえ方を明確にするよう留意した。

(3) 検証授業を計画的に実施し、研究を推進した。

(三) 調査研究

(1) 各種アンケート、検査(CRT学力検査)を実施し、分析結果を指導法の改善に生かした。

(2) 各教科における生徒の実態とその変容を考察し、指導に生かした。


四 研究の成果と課題

(一) 成 果

〈生 徒〉

(1) 学習課題の解決に向けて、自ら考え、発表し、表現する意欲的な姿が見られるようになった。

(2) 学習に対する期待感や成就感が高まり、主体的に学習に取り組む生徒が増えた。

(3) 親和的な学級集団が形成されてきたほか、主体的な学習態度、学習方法も定着してきた。

〈教 師〉

(1) 専門職としての研修の大切さを自覚し、研修によって認め合い、高め合う人間関係ができ、全職員一丸となって研究を推進することができた。

(2) 各教科ごとに研究方法・内容が焦点化され、検証内容を明確にした実践をすることができた。

(二) 今後の課題

(1) 個に応じた指導・支援を効率的に行うために、到達目標や学習課題の設定の仕方、学習量や学習時間の調整などに一層の工夫を加えることが必要である。

(2) 指導内容の精選・重点化を図ることにより、生徒がゆとりを持って生き生きと活動し、生きる力を育むとともに、基礎・基本や確かな学力を身に付けさせる必要がある。

(3) 多様な個の特性に応じたT・Tの在り方、及び選択教科の幅の拡大に向けての授業時数と指導方法等を検討する必要がある。



数学科研究

一 研究のねらい

数学に対する意識調査では、「数学があまり好きでない」と答えた生徒が四五%にも達した。これは、これまでの授業で問題解決に取り組むための時間が十分でなく、生徒が納得できるまでの支援が不十分であったことの表れと推察される。よって、多くの生徒に数学の楽しさを味わわせるには、生徒一人一人の実態を的確に把握し、その生徒に合った支援を行う時間と場を意図的に多くしていくことが大切だと考えた。そこで、生徒の個人差を的確にとらえ、学習の速度や学び方の特性に応じて、一人一人の学習の速度や学び方の特性に応じた支援ができるようT・Tを効果的に取り入れた指導方法の工夫を研究の中心課題とした。

二 研究実践

(一) 数学の学習に対する実態を把握するため、意識調査や事前テスト等を実施した。そして、その分析結果を生かした指導計画を作成した。

(二) 生徒一人一人の見方や考え方を大切にして支援を行うために、学習内容に応じたT・Tの形態(六つの型)を設定した。

(三) T・T同士の打ち合わせにおいては、T1・T2の役割を明確にし、効果的な学習形態や指導方法について具体的に話し合いを深めた。

三 研究成果と今後の課題

(一) 年間指導計画にT・Tによる授業を位置付け、T1・T2の役割を設定した。このため効率的に授業準備や話し合いができた。また、視点を決めて授業中の情報交換を行ったので、生徒のつまずきに応じた指導・支援が可能になった。

(二) 複数学級でのT・Tの効果的な授業の在り方の研究を今後も進めていく必要がある。

グループごとの課題解決の発表(数学)

グループごとの課題解決の発表(数学)


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