養護教育センター通信
研 究 報 告 『視点を持ち、明日をひらく研究』
一 はじめに
養護教育センターでは、養護教育における普遍的な課題あるいは具体的な課題について、専門的な調査・研究を行っています。
平成十年度は、三つのプロジェクト研究及び実践研究などを設定し、研究を推進しました。
二 研究の概要
◎プロジェクト研究
《プロジェクト研究1》
「早期教育相談システムの在り方に関する研究」
障害のある、あるいはその心配のある乳幼児の教育相談(早期教育相談)は、障害に気づいた時点、医師などから告知された時点、保護者が不安を抱いた時点から開始することが大切です。
また、早期教育相談においては、特に保護者の心情を十分くみ取りながら、支えていく相談の在り方が求められます。
そこで、センターの来所相談、早期教育相談連絡調整会議を核としたネットワークなどを活用するとともに、平成十年度は田村地区の母子保健事業「すくすく教室」への参加を試行し、早期教育相談の内容、養護教育センターのコーディネーター的役割、地域に根差したネットワークシステムの在り方などについて実践的な研究を行い地域に根差したネットワークシステムの必要性を明らかにしました。
《プロジェクト研究2》
「養護教育における個別の指導計画に関する研究(二年次)─個別の指導計画の内容及び作成システムをもとめて─」
養護教育においては、従来から児童生徒一人一人の障害の状況や発達段階に応じて、きめ細かな指導を行ってきました。しかし、より個のニーズに応じた指導を行うため、本人や保護者の願いを大切にするとともに、児童生徒にかかわる指導者が共通理解に立ち日々の授業を行うことが必要であるとの認識に至りました。
平成十年度は、児童生徒が主体者として学校生活を送るという観点に立ち、心情面を重視し、生活全体から見た実態把握が大切であること、また、一つの行動を見るとき、その背景を十分読み取って把握することが重要で
早期教育相談におけるかかわりの内容と保護者の心情