教育福島0220号(1999年(H11)7・8月号)-009/52page

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展開及び児童生徒が思考力、判断力、表現力を駆使する学習過程を重視してきたが、このことはこれ からも大切な視点である。

5 自校プランの作成

今、改めて、一部の教科や認知面に偏ることなく、自校の教育力 (家庭、地域の教育力も含む)を総合診断するとともに、自校の教育課題を明確にした上での自校プランの作成が求められる。

この自校プランは、自校の教育力を結集させ、学力向上について 「連続性」、「組織性」、「検証性」の観点から見直したい。

その際、学校のスリム化による教職員の多忙化解消を図るとともに、細部にこだわることなく、「どこで、いつ、誰が、何を、どのように」推進するのかのポイントや実践の場等を構造的にとらえる必要がある。【基礎学力向上プラン'96 参照】

以上のことを踏まえ、これからの本県教育のより一層の充実を目指した「新しい教育課程に向けて」 について述べたい。 

 

 

 

三 新しい教育課程に向けて

文部省は、この度、「新しい学習指導要領で学校は変わります。」というパンフレットを作成、配布した。新しい学習指導要領の趣旨等 を広く国民に理解していただくのがねらいである。

1 改訂の四つのねらい

このパンフレットでは、今回の学習指導要領改訂の四つのねらいが次のように述べられている。

1) 豊かな人間性や社会性、国際社会に生きる日本人としての自覚を育成します。

2) 自ら学び、自ら考える力を育成します。

3)  ゆとりのある教育活動を展開する中で、基礎・基本の確実な定着を図り、個性を生かす教育を充実します。

4) 学校が創意工夫を生かして特色ある教育、特色ある学校づくりを進めます。

2 四つのねらいの関係

1)〜3)のねらいは、各学校にお ける具体的な教育活動を通して実現されるものであり、そのためには、4)の特色ある教育の展開や学校づくりが不可欠である。

この4)は、各学校の判断により様々な工夫を凝らす余地を拡大できるように改善を図ったものである。これが、いわゆる学校裁量の拡大と重なるところである。

3  各学校の主体性

教育課程は、当然のことながら 「各学校」において編成する。

特に、新学習指導要領では、学校の教育活動を進めるに当たっては、「各学校」の創意工夫を生かし特色ある教育活動を進めることが、教育課程編成の一般方針の冒頭に述べられている。

しかも、新学習指導要領では、「総合的な学習の時間」や「選択教科」の内容・方法をはじめ、単位時間に至るまで「各学校」で適切に定めることになる。

(1) 各学校の創意工夫 

したがって、校長のリーダーシ ップのもと、学級や学年の枠を越えて教師同士が連携協力しながら工夫を凝らしたい。その際、従来の考え方にとらわれることなく、 変化の激しい社会の中における教育の在り方について創意工夫した い。と同時に、各学校の課題や特質・地域の実情等に応じ、児童生徒一人一人が自ら個性を十分に発揮しながら楽しい学校生活を送ることができるよう魅力ある教育課程を作成することが急務である。

この時、地域や学校の実態及び児童の発達段階や特性を十分考慮 した上で、各学校の独自性や特色ある教育活動が学校内外に見えるようでありたい。

(2) 固定化した週時程からの脱却 

授業時数が特定期間に実施可能であること、一単位時間を弾力的に運用できること、また、多くの教科等の年間時数が三十四や三十五で割り切れないことなどは周知の通りである。

しかし、これは、見方を変えれば幸いなことである。学校教育の固定化、マンネリ化を避けるチャ ンスと受け止めることができるからである。

中学校では様々な困難なことが予想されるが、これからは、月、学期、年単位など、長期展望に立った計画を生かしたい。そのためにも、行事だけではなく、教科等の年間指導計画が今まで以上に見えるようでありたい。

(3) 具体的な例

例えば、地域や学校の特色を生かし、「春の○○月間」として、関


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