教育福島0220号(1999年(H11)7・8月号)-011/52page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

いずれにしても、これらの例示を必ずどの学校でも取り組むことを意味しない。これらは児童生徒自らの課題追究が可能となる窓口であり、結果として課題追究して いく中で互いに関連し合う課題とも考えられる。

3) 選択教科の充実

中学校では、全ての生徒が共通に学ぶ必修教科以外に選択して学習できる幅をこれまで以上に拡大している。

○授業全体に占める割合

授業時数全体のうち、約六分の一の時数にあたる選択教科を生徒の興味・関心に応じて学習することができる。

○学校の実情に応じた開設

選択教科として開設する教科の種類やその内容は、各学校が教育目標や生徒の特性などに応じて決める。

○学習の改善に向けて

これらのことを踏まえ、新学習指導要領の趣旨等から教育目標や自校の教育課題を見直したい。その上で、改めて生徒一人一人にとって、真に学ぶ喜びが感じられる学習内容の充実、特に、課題学習、補充発展的な学習などの改善を図りたい。

5 総合的な学習の時間では

(1) どんな授業か

この時間では、知識を教え込む授業ではなく、次の二点を主なね らいとした授業が展開される。

1) 自ら学び、自ら考える力の育成

2) 学び方や調べ方を身に付けること

また、ここでは、次のような多様な学習が積極的に行われる。

○自ら課題を設けて行う学習や将来の生き方を考える学習

○自然体験やボランティア活動などの社会体験など体験的な学習や問題解決的な学習

○グループ学習や異年齢集団による学習、地域の人々の参加による学習や地域の自然や施設を積極的に生かした学習など。

(2) 全教職員による取り組み

総合的な学習の時間の内容、時間割、名称等は各学校の創意工夫によって進められる。また、この時間の教科書は発行されない。

この時間は、特定の教員が担当するものではなく、校長、教頭をはじめ、養護教諭、学校栄養職員、講師なども含め、全教職員が一体となって取り組むことが趣旨を生かす上でも肝要なことである。

(3) 他教科等への反映

さらに言えば、これらの総合的な学習の時間のねらいや考え方が学校の全教育活動の中で反映されることが大切である。 

長期展望に立った単元構想、児童生徒の学習活動に留意した授業の設計、その他授業を支える諸活動の整備など総合的な学習の趣旨を踏まえた見直しを図りたい。

 

四 学校を開くことと家庭や地域社会との連携

以上述べてきた「変化やリズム」、「学校裁量」等には、それぞれ学校の特色が求められている。 また、「特色」というからには、他校との違いがある。この違い(特色)は、自校の課題解決のための独自な取り組みであることを、保護者、児童生徒、時には、地域の方々にも説明し、理解と協力を得る必要がある。

「学校は地域社会を離れては存在し得ないものであり、児童生徒は家庭や地域社会で様々な経験を重ねて成長している。」ことの意味を改めて大切にしたい。

例えば、次のようなことの説明が考えられる。

1 新しい教育課程の展開

平成十二年度から多くの教科等で新しい学習指導要領で進めるこ と、平成十四年度からの完全週五日制下での新しい教育の展開を踏まえた学力観、学習観などの説明。

2 教育課程と自校の独自性

学校の目指す方向やビジョンを伝えるとともに、学校には六年間または一年間を見通した計画書 (教育課程)があること。 

また、各学校には他校とは異な る特質や課題がある。その特質や課題を踏まえた独自の取り組みを明らかにすること。

3 地域の人材等の活用

活動内容や児童生徒の力の高まりや興味・関心の広がりによっては、保護者をはじめ、地域社会の方々の協力を仰ぐことがあること。

4 学習環境の整備

年に何度かの教育活動実施状況の結果や評価について伝えるとともに、これからのヒト、モノ、コ トなどに関わる条件整備や学習環境の充実についても、教育委員会はじめ地域の方々に周知すること、など。

今秋、県新教育課程説明会開催

 


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。