ニーハオ中国
室井 辰生
昨年の八月、中国に行く機会を得た。私の一番行きたかった国である。長い歴史の中で築き上げられたものは非常に多くあり、その一部に接することができた瞬間であった。
成田から約三時間で上海に着く。そこで乗りかえ、中国の首都北京に約一時間半で到着する。日本との時差は一時間であり、ほとんど変わりない。北京の中心は天安門広場である。五十万人もの人で集会が開ける広さに驚かされる。毛沢東の肖像画で有名な天安門も思った以上に大きく、左右に長かった。その天安門をくぐると、明・清朝の皇帝の居城があり、今は故宮博物館になっている。南北に一キロメートルあり、一つ一つの居城のスケールの大きさが際立っていた。北京市街からバスで一時間半のところに、万里の長城がある。レンガを一つ一つ人の手で積み上げて造ったという事実。そこを歩くと、中国という国の底知れぬエネルギーを感じることができ、偉大さが実感できた。訪問の記念に証明書を作った。
次に上海へ。江沢民主席の出身地でもあり、街の発展が著しい。高速道路も整備され、巨大ビルが立ち並ぶ。そんな風景は、東京のようでもある。たまに古い家並みを見ることができ、以前の様子も想像がついた。夜、上海雑技団を見ることができ、技のすごさに感動することもできた。
上海から列車で蘇州に向かった。指定席の車両はほとんど外国人で、席には余裕があり、その他の車両は中国の人たちで満員の状態であった。蘇州は、運河と刺しゅうの街として有名である。特に刺しゅうの技術は、国をあげて維持しようと努力をしているので、職人たちは調子が良いときにのみ仕事をし、すばらしいものを仕上げている。さすが中国と感心