供たちと楽しく過ごすことができ、「教師になってよかった」とつくづく実感しています。さらにうれしく思うことは、学級の子供たちが、私の授業を真剣に受けてくれることです。でも、私は子供たちにとって本当に分かる授業をしているのだろうか、子供たちは私の授業を楽しく受けているのだろうか、そして私の授業はこれでよいのだろうかなどと考えることもしばしばです。
確かに、「分かりましたか」と聞けば、「はい」と返事が返ってきます。でも、それが休み時間とは別人のようなおとなしい返事だったりします。また、つまらなそうな顔で授業を受けている子供もいます。中には、前学年までの学習内容を十分に理解できていない子供たちもいて、授業についてくるのは難しい様子がうかがえます。
そんなある日、算数の授業は復習問題の時間でした。ほとんどの子供たちが問題に取り組む中、何人かの子供たちは問題がとけなくて、ぽかんとしています。どうしようかと考えた私は、一人一人を呼んで、その子ができそうな問題をそれぞれノートに作ってあげました。初めは不安そうな子供たちでしたが、自分が分かる問題だと気づくと、急にうれしくなったようで、どんどん解いて持ってくるのです。「こんなのはできるかな」と、少し難しい問題を作ってあげると、しまいには、ニコニコして、スキップをしながら自分の席に問題を持ちかえる子供もいました。その時、私は「これが子供一人一人を大切にする授業なのかもしれない」と思い、子供たちの楽しく学ぶ姿に、自然に涙が浮かんできました。
もちろん、休み時間に子供たちと接することも楽しいことです。でも、この授業では、授業の中でしか味わえない教師の本質に触れる楽しさや喜びを感じることができました。これからは、一人でも多くの子供が「この先生と会えてよかった」と思えるよう努力したいと思います。
(郡山市立行健小学校教諭)
人とのかかわりを大切に
山内 啓子
「おとうさーん、おとうさーん」と空に向かって叫ぶM子。「もっと高く、もっと高く」とせがまれて、ブランコを押す手に力が入る。と同時に、思わず目頭が熱くなりました。
空高く舞い上がることで、既にこの世にはいない父に、より近づいたかのように感じて喜ぶM子。純粋であどけないこの子の姿から、子供たちに寄り添い、親身になってかかわることの大切さを改めて感じました。
このような子供との交流がある一方で、勤務の中で「保育者同士のかかわり」の難しさに悩むこともありました。
指導の仕方一つでも、主張の強い人の意見が話し合いを牛耳り、その他の意見が受け入れられずに話し合いにならないこともありました。私たち保育者は、自分の考えに固執し過ぎて、保育者同士のかかわりが意外に少ないのではないのかと感じていたものです。
経験年数が増すにつれ、保育者同士が教え合い、学び合うことの大切さを一層強く思うようになりました。
先日、こんなことがありました。泣きじゃくるT男を担任の私のところへ連れてきたS先生の状況報告では、遊びに興じているうちに、友だちを殴って泣かせてしまったら、その仕返しを年長児から受けたというのです。「どうしたの」と、私が声をかけると、大声で泣きついてきました。殴った友達に謝ろうとしていたのに、年長児に仕返しされた悔しさがこみ上げてきたのでしょう。
数分後、いきなりT男が、「先生、ぼくもう泣かないよ。Y君に謝ってくるね」と走っていきました。帰り際には、笑顔で「先生さっきはありがとう」と言って帰