教育福島0220号(1999年(H11)7・8月号)-032/52page

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養護教育センター通信

教育相談から

子供一人一人の違いを認めて

子供一人一人の違いを認めて


一 平成十年度の相談状況から

養護教育センターでは、障害のある、またはその疑いのある子供たちの教育相談を行っています。

平成十年度の形態別、障害種別の相談状況は(表1)のとおりです。センターでの相談では情緒障害に分類される相談が半数以上を占め、次いで知的障害の相談が多くなっています。地域相談室での相談は知的障害、病弱・虚弱の相談が、また、巡回就学相談では知的障害、情緒障害の相談が多くなっています。相談総件数では、情緒障害、知的障害の相談が多数を占めています。

近年、情緒障害の相談件数が増加傾向にあります。情緒障害は、人間関係のあつれきなどによって情緒が不安定で行動に問題を生じている状態や人とのかかわりに困難性を示し、全般的な発達にひずみのある状態などをいいますが、センターでの相談では(表2)のように、学習障害及びその周辺の子供、不登校、自閉症が主なものとなっています。特に平成十年度は、学習障害などの相談が急増しました。これは、近年各種マスメディアなどで学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)、集団不適応などが話題として取り上げられるようになり、保護者や先生方が子供の学習面や行動面で気にかかるようになったものと思われます。相談を通して子供の特性を理解し、対応の手がかりを得ようとしていることが伺えます。

(グラフ1)は、センター来所相談の子供の在籍校種別内訳を示したものです。小学校・

表1 形態別・障害種別相談状況

形態 件数/障害 視覚 聴覚 知的 肢体 病弱 言語 情緒 重複 その他
養護教育センター
来所相談
実件数 3 1 94 16 2 22 194 3 7 342
延件数 8 4 527 119 10 79 1,132 21 26 1,926
地域相談室相談 実件数 24 13 110 32 84 10 44 26 31 374
延件数 151 165 385 105 237 118 186 139 95 1,581
巡回就学相談 実件数 1 1 30 6 0 13 28 0 4 83
延件数 1 1 30 6 0 13 28 0 4 83
実件数 28 15 234 54 86 45 266 29 42 799
延件数 160 170 942 230 247 210 1,346 160 125 3,590

表2 情緒障害における来所相談の内訳

内訳 不登校 学習障害等 自閉症 緘黙 その他
件数 60 92 26 5 11 194

グラフ1 平成10年度来所相談における在籍校種別内訳

平成10年度来所相談における在籍校種別内訳


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