教育福島0221号(1999年(H11)9月号)-017/52page
た教育の営みが不可欠である。ウ 開かれた学校づくり
学校が、地域社会の持つ多様な教育力を生かせば、学校の教育機能をより一層効果的に発揮できる。また、学校が地域社会に、学習機会の提供や施設の開放を実施すれば、積極的に地域社会に貢献していくことにもなる。
エ 地域の生涯学習社会づくりと社会教育活動の振興
学社連携・融合の推進は、学校の教育機能や施設・設備、地域の教育資源を導入するので、社会教育活動の振興に合わせて生涯学習推進システムは必然的に構築されていくと考えられる。
(3)本県における学社連携・融合の課題
ア 学校や地域社会における取り組み
地域社会への貢献という課題を抱える学校と、住民の生涯学習の推進という課題をもつ地域社会とが、子供の「生きる力」をはぐくむという目標を共有化して、それぞれが主体としてどのように取り組んでいけるかが課題となる。
イ 市町村における取り組み
学社連携・融合の推進について、市町村は、組織・体制づくりや情報提供、予算措置など条件整備の役割を担わなければならない。
2 学校と地域社会における推進体制
(1)学校
学校経営自体に「開かれた学校づくり」への方向づけを図ることが期待されるが、とりわけ教職員の学社連携融合についての意識の改革とそれに伴う教育活動としての具現化が重要となる。
(2)地域社会
学社連携・融合の推進には地域住民の主体的なかかわりが大切であり、地域住民の理解を促進するとともに協力体制づくりが望まれる。
3 社会教育施設における推進体制
○公民館
学社連携・融合推進の中核的施設としての事業係を設置するとともに、事業計画の見直し、学習プログラムの開発や指導者等の養成・派遣、学習情報の収集・提供及び学習相談の機能を充実する必要がある。
4 市町村における推進体制
(1)推進体制の整備
市町村においては、学社連携・融合についての理解を深め、実践化へ向けた調査・研究の推進や普及・啓発、基本構想や実施計画等を策定する組織が必要である。
(2)生涯学習関連施設の整備
施設の特色を生かした学社連携・融合事業の効果的な展開のため、建物等のハード面はもとより職員、学習関連情報、主催事業・学習プログラム等の整備とネットワーク化が望まれる。
(3)学習情報の収集・提供と学習相談機能の充実
地域における教育資源提供のための「学社連携・融合バンク」などの整備や相談活動が日常的にできる体制づくりが必要である。
5 地域の指導者の養成と人材の発掘
(1)コーディネーター
市町村において、学社連携・融合を推進するコーディネーターの養成や研修の機会が必要となる。その際、人材バンクの創設を行うなどの整備も必要になる。
(2)学習ボランティア
ボランティア活動の受け入れ体制の仕組みを明確にし、活動内容や方法に関する条件の整備を図るとともに、ボランティア登録システムの整備等を通して、学習ボランティアの養成・確保を一層進めることが望まれる。
6 学社連携・融合事業の開発
(1)市町村モデル事業の推進
学社連携・融合の推進には市町村に事業を委託し、計画的・組織的・体系的に取り組んだ成果を県内一円に普及することが重要である。
(2)推進事業の開発事例
事業の推進にあたっては、子供の実態と地域や学校の実情を踏まえるとともに、各種の関係機関・団体はもとより、民間の諸活動との連携を深めながら、スタッフの創造性を十分に発揮した創意あふれる取り組みが望まれる。