教育福島0221号(1999年(H11)9月号)-022/52page
サマースクール
(3)施設内・外での学習会
各学校と協力し、アクアルーム(研修室)やマリンホール(多目的ホール)を使用して、学級単位などによる学習会を開催します。
また、職員が学校やその他の教育機関などに出向き、移動水族館を行います。
(4)講演会・セミナー
各種講演会やセミナーを企画し、幅広い年齢層に対応した催しを行います。
三 ボランティアの活動
本施設では、各展示コーナーの解説など来館者の支援や多様な交流を促進していくため、ボランティアの積極的な導入を図ることとしています。
特に、ボランティアの方々自身に生涯学習の場として本施設を活用していただき、自己開発に役立てていただくとともに、ボランティアの方々との連携を深めることによって、地域に開かれた施設づくりを目指していきたい考えています。
なお、本年七月末現在で、二〇〇人を超す方々からボランティアとしての登録申し込みがありました。
四 オープンに向けた生物採集
本施設に展示する生物たちは、県内の川や沿岸をはじめとして、福島県沖合の潮目海域、さらには、黒潮、親潮のふるさとである熱帯アジアやオホーツク海と、さまざまな水域から集めており、現在、これらの生物の調査、蓄養を進めています。
流れ藻採集風景
(1)サンマの展示に向けて
現在日本には七十近い水族館があり、そこでは多くの種類の生物が展示されています。
しかし、まだ、さまざまな理由から水族館で見ることができない海の生き物だちがたくさんいます。その中には、魚市場等の店先に並び、わたしたちに馴染みが深いものも少なくありません。
このような生き物の代表的なものして、サンマが挙げられます。
サンマは秋の味覚として日本人に最もポピュラーな魚の一つになっており、「アクアマリンふくしま」の地元、いわき市の小名浜港では、日本でも有数のサンマの水揚げ量を誇っています。
しかし、サンマはこれまで日本はもとより、世界中のほとんどの水族館でも展示した例はありません。その理由はサンマの生態にあります。サンマは外洋を回遊する魚であるため、採集、輸送が難しく、狭い水槽の中での飼育が非常に困難なためです。また寿命が短いことも飼育を困難にさせています。
そのため、平成九年二月から、小名浜下神白に飼育困難生物実験施設を設置し、このサンマの飼育実験に取り組んでいます。
そして、沖合の流れ藻に付着したサンマ卵を採集し、その卵の孵化、育成、繁殖を行うなど、さまざまな努力を積み重ねた結果、四世代の累代飼育と四八五日の連続飼育を達成することができました。
現在、この施設では、今年の六月に採集した卵から孵化したサンマ(本施設のオープンの際に展示
サンマ卵
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