教育福島0221号(1999年(H11)9月号)-025/52page

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方法などないのです。自分を知り、自分を育てていくことが「子育て」ともいえるでしょう。 

人は他人によって育てられるものです。親子、夫婦、師弟、友人など真剣に相手と向き合うことが大切であり、自分を積極的に他人の中に導いていくことが自分育てです。それが子育てに生きている、そう考えて私自身をいろいろな場に引っぱり出している今日この頃です。 

慶一がいたからこそ、そして、三人の娘がいるおかげで自分と向き合い、自分の生き方を考えるチャンスを与えてもらうことができました。これからも、いつでも、どこでも、だれとでも、なにがあっても前向きで楽しい生き方をしていきたいと思います。

(いわき市立錦中学校PTA副会長)



二百三十万光年の夢

渡邉克行

渡邉克行

「先生、もう見ましたか」廊下を歩いていると、六年生のA君が問いかけてきた。今話題の映画、スターウォーズを見てきたかというのだ。 

A君は宇宙のことが大好きで、SF小説や映画の大ファンである私とは話がよく合う。話をするだけでなく、お互いに手持ちの写真集や科学雑誌などを持ってきては、二人でため息をついている。様々な星雲の形状・色彩の美しさ、星の生死の不思議、そしてはるか百億光年のかなたの深宇宙。

「宇宙に行ってみたいね」と、どちらともなく、宇宙旅行の話になるのが常だ。私が小さい頃は、「なに考えてんだ。夢みたいなこと言ってんじゃない」などと、友達によく笑われていた。

しかし、すでに宇宙旅行の募集が始まっているように、新しいスペースシャトルの開発とともに、ごく一般の人が宇宙空間に行ける時代がすぐそこまできているのだ。

「アンドロメダ星雲に行ってみたい」二百三十万光年離れた、きれいな渦巻き銀河を見て、A君が言う。 

そこまで行く方法として、原子力ロケット、星間ラムジェットロケット、光子力ロケット、反物質ロケット等が考えられていることをA君に教えてあげた。また、アンドロメダまでだと、光速で移動する宇宙船の中では約三十年かかるが、地球上では二百三十万年もたってしまうことも伝えた。まさに浦島太郎になってしまうのだ。アンドロメダまでの旅は、今でも夢物語である。 

美しい星の写真を見て、夢を語り合う。A君との星についての会話は、毎日の忙しさの中で、ちょっとした憩いのひとときとなっている。 

科学の進歩は、日進月歩である。今は遠い夢物語であっても、きっとA君のような宇宙への強いあこがれを持つ子供たちが、少しずつ未来の宇宙旅行の扉を開いてくれるに違いない。二百三十万光年の宇宙の旅は、私にとっての夢であるが、宇宙開発に少しでも興味や関心を持ってくれるような子供たちを育てることが、もうひとつの大きな夢である。

(白沢村立糠沢小学校教諭)



随想

関根英理子

関根英理子

先日勤続二十年ということで、互助会から図書券をいただいた。 

人生においても仕事においても折り返し地点と言えるこの時期を「不惑」と称するのは実に示唆に富んでいると思う。振り返ってみると私は、何気なく漏らすぐちの


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