教育福島0221号(1999年(H11)9月号)-027/52page
に理解し合うことのできる人間関係の醸成にもつながるはずです。雨・風から子供を守っても、子供の心の成長を促すことにはならないのでは、と疑問に思います。
そして、今の私は、暑い日の部活動終了後、生徒と一緒にかじるアイスの冷たさに、ささやかながら季節感を味わわせたいと思い、アイスを一緒にかじった人こそ、アイスの冷たさと甘さと練習の辛さ・苦しさを知り合う仲間だという意識を大切にさせたいと思っています。雨降りの朝、自分の子供を学校に送り自己矛盾を感じながらも。
(相馬市立向陽中学校教諭)
めいっ子誕生
鈴木ゆかり
弟は私の二つ下。子供の頃、よく私の後にくっついて遊んだものだ。三十歳を過ぎても、結婚の気配が見えず、周囲をやきもきさせていたが、本人はそんな心配をよそに、マイペースそのもの。
いつまでも子供だと思っていた弟が、ある日、ついに彼女を実家に連れてきた。
「あんたも来なさいよ」と、母の一声で、主人ともども実家に駆けつけた。両親は、彼女の明るくさっぱりとした性格に安堵した半面、「うまくやっていけるか」と不安もあり、何とも複雑な心境だったようだ。
しかし、結婚前の不安は取り越し苦労に終わり、彼女は弟とはもちろん、両親ともうまくやってくれている。
そんな中、ついに弟が父親になった。めいっ子が誕生したのである。私も初めて伯母になったのだ。自分が産んだ二人の子供の他に、自分と血がつながっているめいっ子の誕生は、自分の出産の時とは違う、手放しの喜びである。
主人の姉が、よくうちの二人の子供をかわいがってくれる。姉はある日、目を細めながら言った。
「弟の子供って、とってもかわいいのよねえ」
それが今、まさに私の心境である。父方の祖父に似ている姪。自分に流れている血と非常に近いというだけで、こんなにもうれしくなるものなのか。孫を目の中に入れても痛くない、という祖父母の心境が実感としてわかる。
「この子は、目がキリッと涼しげで、利発そうだ」とか、「指が長く、ピアニスト向きだ」とか、親をさて置いての伯母バカぶりを発揮してしまった。
私がめいっ子の誕生ではしゃいでいると、息子と娘が、「お母さん、うれしそうだね」と言ってきた。私はにっこり笑い、「うん、とってもうれしいんだよ」と答えた。家族が増える喜びを、子供たちも感じ取ってくれたにちがいない。
家族愛が薄れてきていると言われる昨今であるが、人を愛する原点は家族だと思う。喜びや悲しみを分かち合えるよう、家族愛をしっかり育てていきたいと、めいっ子の誕生に際し、改めて考える今日このごろである。
(鮫川村立鮫川小学校教諭)
土木科の教師として
田畑淳
県内の県立高校には三校に土木科が設置されています。同じ土木科でも、三校それぞれの特色がありますが、共通して言えることはどの高校でも土木科の生徒たちは「活気がある」ということです。どうしてそうなのかはっきりとした理由はわかりませんが、そういう気質の生徒たちが多いようで