教育福島0221号(1999年(H11)9月号)-038/52page
研究実践平成9・10年度文部省指定読書指導
多様な教育活動を工夫し、学ぶ目・生きる心を育む読書指導
田村郡船引町立春山小学校
一 本校の教育環境
本校は、国道二八八号線と磐越自動車道が横断する田園地帯に位置している。児童の家庭はほぼ兼業農家である。校舎は、平成八年度に改築され、ワークスペース、オープンスペースを備え、少人数の児童にとって活動しやすい教育環境となっている。
二 研究主題設定の理由
本校は、国語科の研究を継続的に行ってきたが、平成九・十年度文部省の指定を受け、読書指導についてさらに研究を深めるようにした。
読書指導を中核として取り組む研究のねらいは、以下の四つの点にまとめることができる。
■研究のねらい
(一)少人数の特性を生かして、個個の持つよさを高める。
(二)「読書」を中核としながら、知識を増やしたり、感性を高めたりするなどして豊かな心を育む。
(三)読書指導との関連を図り、児童一人一人の学習が深まるようにする。
(四)学校図書館の利用の仕方を身に付けさせ、読書に親しむ態度を育成する。
三 研究仮説
読書指導との関連を図った多様な教育活動を工夫すれば、学ぶ目・生きる心を育むことができるであろう。
読書指導との関連を図った多様な教育活動とは、「読書指導」を国語科の一領域としてだけ位置づけるのではなく、学校教育活動すべてに作用させることである。
■研究推進の構想
学校教育活動すべてにわたって、「読書指導」を作用させるために、以下の視点に立って研究をすすめた。
(一)読書指導の充実を図ること
○自主的・自発的に取り組む活動の工夫
(二)読書活動との関連を図った授業の展開
○気づき、発見を中心とした授業の展開
○児童一人一人を生かす授業の展開
(三)読書環境の整備充実を図ること
○学校図書館の整備・充実
○家庭への啓発
以上、三つの視点に立ち、読書指導を学校の教育活動全体に作用させ、具体的実践を試みたが、児童一人一人の確かな変容はどのように把握し、読書指導の成果を何で検証するのかという課題が生じた。
そこで、本校では、「学ぶ目」「生きる心」を育むための総合的な活動の場として<読書集会>を設定した。
四 研究実践の概要
ここでは、「二 研究の趣旨」で述べた具体的な実践活動の内容及び検証の場としての読書集会について述べることとする。
(一)研究の視点1 読書指導の充実を図ることについて
児童一人一人が読書に親しみ、自主的・自発的に取り組めるよう、週時程の中に「本に親しむ活動」の時間を位置づけた。
〈実践1〉読書の時間
○朝の活動として15分間