教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-012/52page

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特集 2

福島県文化財センター

白河館(仮称)の概要

文化課

 

福島県教育委員会では、文化財の保護や展示・公開、市町村専門職員等の研修などの拠点施設として、福島県文化財センター白河館(仮称)の整備を進めています。

平成十三年度夏の開館を目指し、今年度、建築工事に着手しました。この施設の概要について、紹介します。

一 整備の目的

近年、県民の間には、郷土の歴史や文化、自然をもう一度見つめ直し、そこから学ぼうという動きが強まっています。

さらに、文化財に関する展示会や遺跡の現地説明会への参加の状況など、国民共有の財産である「文化財」への、県民の興味や関心も、かってない高まりを見せていると言えます。

このような県民の期待に応えるために、県が主体となった発掘調査によって出土した埋蔵文化財を一括して収蔵・保管し、展示・活用を図るとともに、体験学習や文化財に関する情報発信を通して、文化財を未来に伝える大切さを学びながら豊かな心を育む場として整備します。

また、開発事業によって破壊される遺跡は、発掘調査を行って記録として残すことが必要です。しかし、市町村においては文化財に関する専門職員の不足から、文化財の調査や保存協議に支障をきたしています。

福島県文化財センター白河館(仮称)
福島県文化財センター白河館(仮称)

そこで、市町村等の文化財担当職員の養成や資質の向上を図るため、文化財に関する専門的な研修のための拠点施設として整備します。

さらに、本県には、長い年月にわたり地域の人々に受け継がれてきた伝統工芸技術や民俗芸能などの、いわゆる「無形の文化財」も多数存在しています。

この「無形の文化財」の展示・公開も行う施設としても整備します。 


二 事業の経緯

平成六年度 基本構想
平成八年度 基本計画
平成九年度 建築基本設計
展示基本設計
平成十年度 用地取得
建築実施設計
遺跡発掘調査
用地造成工事
展示実施設計


三 一里段遺跡の発見・調査

平成十年八月の造成工事中に、縄文時代早期(今から約八千年前)の土器や石器が出土し、一里段遺跡を発見しました。県教育委員会では、造成工事を一時中断し、九月に財団法人福島県文化センターに委託して、試掘調査を実施しました。

試掘調査の結果を受けて関係機関で保存協議を行い、計画変更が困難な、掘削される調整池部分、約二千uを対象に記録保存の発掘調査を実施することとしました。


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