教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-014/52page

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にします。

また、「モノ」資料を見るだけでなく、「モノ」に触れ、「モノ」から考え、学ぶ展示に配慮しています。

◆常設展示室 約五一〇u

■「めぐみの森」

縄文時代のブナの森を復元し、導入部としました。小川のせせらぎ、鳥のさえずり、遠雷と夕立の雨音、初夏の森です。

常設展示室
常設展示室

福島の地に生きた人々の暮らしを育んだ母なる森を通ることにより、異時間の空間へ誘います。

■「暮らしのうつりかわり」

現代から旧石器時代(二万五千年前)に至る食卓や台所の様子を、時代毎に実物資料と復元資料を駆使して展示します。

「めぐみの森」と「暮らしのうつりかわり」
「めぐみの森」と「暮らしのうつりかわり」

各時代の生業や社会の仕組み、信仰などを十七インチタッチパネルで解説します。また、展示テーブルでは、各時代の装飾品やお墓での副葬品など、小さな出土品を間近に観察できるように、展示します。

昭和四十年代の食卓の風景を始まりとして、江戸時代、鎌倉・室町時代、奈良時代、古墳時代、縄文時代、旧石器時代と時間をさかのぼるように食卓や台所の風景を展示します。各コーナーをやや詳しく紹介します。

昭和四十年代、畳の敷かれた茶の間では、ちゃぶ台の上に食事の支度ができています。お櫃やポットも準備され、テレビでは当時のマンガが映し出されています。

「暮らしのうつりかわり」(縄文時代の食卓)
「暮らしのうつりかわり」(縄文時代の食卓) 

約二百年さかのぼって、江戸時代の農家の台所です。土間ではカマドに鉄鍋がかけられ、脇には地流しがある。下駄や草履(ぞうり)が脱がれ、足を洗う洗い桶もあります。板の間には、膳が整えられ、食事の準備が整えられています。

さらに約五百年さかのぼって、鎌倉時代から室町時代の家です。
土間と低い板床があり、板の間には囲炉裏(いろり)が切られ、自在鉤(じざいかぎ)で鉄鍋が吊られている。囲炉裏の脇には、折敷(おしぎ)が置かれ、酒食の準備が整っている。土間には、大きな水窪(みずがめ)が置かれ、曲物桶(まげものおけ)も置かれている。

また、さらに五百年さかのぼって、奈良・平安時代の竪穴住居の内部です。カマドには土師器饗(はじきかめ)が据えられ、曲物の甑(こしき)も置かれている。カマドの脇には、水窪である須恵器聾(すえきかめ)、酒を入れた長頸瓶(ちょうけいへい)があり、土師器杯(はじきつき)・須恵器杯、木の鉢に食事が盛られている。

約三百年さかのぼって、約千五百年前、古墳時代の竪穴住居の内部です。カマドには土師器の餐・甑が設置され、脇には土師器高圷(はじきたかつき)、須恵器高圷、土師器杯が置かれ、住居の隅には地下式の庫があり、食料が蓄えられている。壁には、鋤(すき)や鍬(くわ)、鎌が立て掛けられている。

今から約二千年前、弥生時代の平地住居の内部です。床には、地機(じばた)や弓、弥生土器壼・繧・高圷・杯などがあり、外では稲の穂首を刈る石包丁(いしぼうちょう)の製作も行われている。

今から三千年前、縄文時代中期の竪穴(たてあな)住居です。中央の石囲い炉の周囲に、縄文土器深鉢(ふかばち)・浅鉢(あさばち)な


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