教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-015/52page
どがあり、天井には薫製(くんせい)の魚貝類や獣肉、編みカゴに納められた木の実などが蓄えられている。最後は、およそ二万五千年前の一里段遺跡(白河館用地内)の様子が復元されています。遠くには当時の那須連峰が見え、ナイフなどの石器の製作が行われています。脇では、石焼き料理が行われています。最も原始的な、調理の様子です。
およそ二万五千年前から現代までの、私たちの一番身近な食器や煮炊きに使う土器、あるいは調理の仕方を比較し、その変化を実物で学ぶことができます。
■「道具のうつりかわり」
「石の道具」「木の道具」「金属の道具」のうつりかわりや作り方・使い方を、実物資料と復元資料、模型で展示し、使い方を実体験するコーナーも設けます。
「石の道具」としては、縄文時代の石鎌・石斧などの道具、「木の道具」としては古代の挽き物の椀や皿、曲物などの道具、「金属の道具」としては大刀(たち)・刀子(とうす)・鋤・鍬などの道具です。
いわき市大猿田(おおさんだ)遺跡、福島市弓手原(ゆみてはら)A遺跡では、古代の「木の道具」を製作した跡が見つかり、その成果を中心に展示します。弓手原A遺跡では、木取りからムキドリ、ナカギリの製作工程がわかる荒型(あらがた)が出土しています。
「道具のうつりかわり」大猿田遺跡では、作りかけの鎌・斧や鋤・鍬の柄を始めとして、弓・曲物・椀・皿の挽型(ひきがた)も出土しています。
本県はまた、全国でも屈指の数の古代製鉄遺跡を調査しています。その調査成果から、原料である鉄を作る過程を、模型等で展示・解説します。
原町市大船迫(おおふなさく)A遺跡の製鉄炉と木炭窯を、当時の風景も含めて、模型で復元します。また、当時の製鉄炉の炉底や鉄滓(てっさい)・木炭・砂鉄なども実物資料で展示します。
特に、東村笊内(ざるうち)古墳群出土の馬具は、実物資料を展示し、同時に古代の技術そのままに復元した資料を、模型の馬に装着して展示します。
学芸員に申し出れば、馬に乗ることもできます。古代の豪族の気分を味わうことができます。
十七インチタッチパネルでは、こうした道具の作り方や使い方を詳しく、絵や写真で解説をします。
■「遺跡を掘る」
遺跡の発見から、表面調査、試掘調査、発掘調査─表土剥ぎ・精査・写真撮影・作図・現地説明会など─、報告書作成、遺跡の保存・整備に至る過程を、模型で具体的に展示します。
実際の発掘調査の写真やビデオなど映像を駆使して、解説もします。
■「みんなの研究コーナー」
体験学習講座などを通して製作した土器・石器や、研究論文、小中学生の感想文や、歴史に関連することを詠んだ俳句などを展示し、相互学習、相互啓発の場を提供します。
■「速報コーナー」
最新の、話題になった発掘調査成果を展示します。例えば今年で言えば、縄文時代の大集落である福島市宮畑(みやはた)遺跡・飯野町和台(わだい)遺跡、古墳時代の豪族居館である塩川町古屋敷遺跡、鎌倉時代の「奥大道(おくのたいどう)」とそれに面した都市である郡山市荒井猫田遺跡などの調査成果です。
のぞいてみよう福島の遺跡■「小休止コーナー」
パソコンを使ったゲームで、埋蔵文化財の保護のルールをゲーム感覚で、自然に学ぶことができ