教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-016/52page
ます。また、ゲーム感覚で発掘を楽しみながら、展示されていた土器や石器が次々と出土し、改めて展示品がいつの時代の、どんなものかを、復習できます。
■「のぞいてみよう福島の遺産」
展示室から見える、収蔵庫を公開します。約七万箱(箱の大きさは十五×四十五×六十センチ)を収蔵できる国内でも最大級の収蔵庫です。
約四万箱が収納されています。その規模の大きさと、収蔵量の多さに圧倒されます。まさに、貴重な本県の遺産と言えます。
■「白河の歴史」
古代白河郡の軍団兵士を、古代の記録や出土品に忠実に、復元展示します。軍団兵士の出征の姿や、戦いの際の鎧姿を、等身大の人形で展示します。
軍装の軍団兵士は、大刀(たち)をはき、弓矢を背負い、衣に鉄製の甲板をつけた「綿襖甲(めんおうこう)」と呼ばれる甲を着ます。
古代白河郡の役所である泉崎村関和久官衙(せきわぐかんが)遺跡や関和久上町(かみちょう)遺跡などの調査成果を中心に、白河郡の寺院である白河市借宿(かりやど)廃寺跡や、白河国造の居館である舟田中道(ふなだなかみち)遺跡、白河国造(こくぞう)のお墓である下総塚(しもふさづか)古墳など、白河地方の歴史を遺跡に即して具体的に展示します。
■「すばらしき文化財の世界」
県内に伝えられた有形・無形の文化財を、自然と人間の関わりを通して、四面マルチビジョンの映像で紹介します。
プロムナードギャラリー◆プロムナードギャラリー
本県を代表する土器を象徴的に展示します。間近にゆっくり見学できます。
■「白河文化財地図」
白河地方の著名な史跡・名勝な
どをパネルで紹介します。本館見学の後に、白河地方の史跡や遺跡を見学する参考になります。■「遺跡地図」
福島県の埋蔵文化財の所在地は現在約一万四千ヵ所あります。これを二万五千分の一の地図上に表示します。代表的な文化財の解説を、七十インチプロジェクターとタッチパネルで検索・紹介します。自分の家の近くにどんな遺跡があるか、探してみるのも面白いと思います。意外に多くの遺跡が、身近にあります。
◆特別展示室(一二六u)
テーマを決めて行う企画展、記念事業として行う特別展、最新の調査成果をいち早く展示する速報展、約四万箱の収蔵品の中からテーマ毎に展示する収蔵資料展、毎年県で指定する新指定文化財を一堂に会する指定文化財展などを開催します。
◆野外体験広場・野外展示
野外には体験広場があり、野外体験学習の場となっています。その周囲には、野外展示があります。野外展示は、縄文時代の竪穴住居、古墳、古代製鉄炉・竪穴住居・高床倉庫、中世館などを予定しています。
磐梯町法正尻(ほうしょうじり)遺跡をモデルとした縄文時代中期の竪穴住居は、直径約十三mと本県でも最大級で、本県特有の複式炉も復元します。
東村笊内古墳群二号墳は全長約十七mの前方後円墳で、横穴式石室や棺も復元します。
原町市長瀞(ながとろ)遺跡をモデルとした平安時代の製鉄炉は、踏み鞘(ふいで)を伴う長方形箱形炉で、炉の規模が○・六×一・三mであり、本県を代表する製鉄炉です。
東村谷地前(やじまえ)C遺跡をモデルとした奈良時代の竪穴住居は、約六m四方の方形で、四本の主柱穴と壁柱穴が一周する構造で、比較的規模が大きい住居です。
ほかに、古代白河郡の正倉である泉崎村関和久遺跡をモデルとした高床式倉庫、『一遍上人(いっぺんしようにん)絵伝』に描かれたような中世の武士の館を復元します。この展示を利用した体験学習等も計画しています。
六 今後の事業スケジュール
平成十一年度 展示工事(復元資料製作) 造成工事竣工 建築工事着工