教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-021/52page

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写真2 身体表現セミナー
写真2 身体表現セミナー

きましたが、後援会等との連携で学校公開講座の一環として「身体表現セミナー」に取り組んでいます。県内はもとより他県からの参加者もおり、年々広がってきています。次に富岡養護学校では、学校の相談機能を生かした早期教育相談や親の会への支援など「地域貢献事業」として様々な事業を展開しています。

また、高等部の作業学習における商工会との連携協力や町の行事への積極的な参加協力など、地域との連携が広がり、地域に開かれた学校づくりが進行しつつあります。今後、各学校においては、地域や学校の実態に応じてPTAや地域社会との連携をより一層図り、開かれた学校づくりを推進していくことが期待されています。

写真3 ボランティア講習会
写真3 ボランティア講習会



六 情報化の進展とコンピュータの活用

インターネットの発展により情報のグローバル化が加速し、教育においても現代の「読み書きそろばん」として、コンピュータ等の情報機器の活用をあげている人もおり、情報化は避けて通れない状況にあります。特に、障害のある児童生徒にとって、コンピュータの活用は、さまざまな障壁を乗り越え、より少ない制限での生活をするための重要な補助手段となります。

養護教育センターを中心に「養護教育におけるコンピュータの活用」について先進的な研究を進めてきました。その研究の成果については、盲・聾・養護学校へのコンピュータの配置とともに徐々に各学校にも浸透してきており、授業で活用している学校も増えてきています。

図3 コンピュータ活用の分野
図3 コンピュータ活用の分野

写真4は、平養護学校でのコンピュータ活用の様子です。言葉や全身のまひのため、自分の意思を伝えることが困難な脳性まひの生徒が、わずかに意図的に動かせる脚を使って入力し(脚の前の棒状のスイッチを押す)、操作することによって、自己決定が可能になり、意欲的に学習に取り組んでいます。

写真4 コンピュータ活用の様子
写真4 コンピュータ活用の様子
     (肢体不自由養護学校)

今回新しく高等部に「情報」が教科として新設されましたが、小学部段階から児童生徒が情報通信ネットワークなどに慣れ親しみ、それを積極的に活用し、学習活動を充実させていくことが必要です。


おわりに

今回は、養護教育を取り巻く教育改革の流れを学習指導要領の改訂から概観しました。次回は、さらに細部について触れたいと思います。


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