教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-027/52page

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とめていく中で、教えられ助けられたことへの感謝、懐かしさ、そして自分の至らなさを情けなく思い出された。と同時に、過去をこんな風に振り返る自分の年齢を

ちょっぴり寂しく思った。数々の思い出を大切にしながらも、これからをどう生きるか、何ができるかを考えていこう。

(大信村立大屋小学校教諭)





草野心平記念文学館

和合亮一

和合亮一

文学館が、近年各地で作り上げられている。おかげで、出掛けてみたい場所がたくさん出来てしまった。作者の人間像が、三次元の世界で色濃く浮き上がってくる様子は、例えば一本の映画を見ているような楽しい心持ちにさせられる。そのあたりをいつも、自分なりに楽しみたいと思っているのである。

八月の最後の週末。草野心平記念文学館に、初めて足を運んだ。前々から心は誘われていたが、ようやくいわきに向かうことが出来たのである。夏休みはどこにも行く事が出来なかったので、ちょっとした小旅行という気分だった。市内から車で約二十分程。爽やかな風が吹く阿武隈山地の丘の上。三年前まで小玉ダムの現場事務所に使われていた場所である。周辺の自然と溶け込みながらも、晩夏の陽光に照らされた外観は、ひときわ輝いて見えた。

館内には、スタッフの方々の豊かな感性による、とても個性的な展示空間が創造されていた。草野心平の作品宇宙のスケールの大きさ、自然へと注がれる独特の眼差しは、筆に尽くせるものではないが、この文学館の内外において、不可能とも思えるその心平世界の立体化に果敢にアプローチし、成功している。数々の展示のそれらの品の良さが、思い思いに見入っている人々の靴音を清明な響きにしていた。

また、これは、他の文学館には、類を見ないと思われるが、詩作する為の部屋というものがある。ゆったりとしたその空間の中で、楽しみながら、詩を作ることができる。そして、その詩をコンピューターで記録させることができるのである。又、その記録された他の人の作品も自由に読むことができるし、その際には作者の名前は表示されないということになっている。空の光りが十分に差し込んでくるその部屋の窓には、心平が眺めていた美しい山の風景が広がっている。生前から多くの詩人たちに親しまれてきたこの詩人のユニークな人柄が、今でも、このような個性的な空間を作り出しているのである。

これからも、「蛙の詩人」として広く親しまれている草野心平の元に、数多くの人々が足を運び、思いを馳せてゆくことだろう。好きな本を何度も開くように、また、足を運んでみたくなる場所である。

(県立川俣高等学校教諭)





PTAに積極的関心を

箕輪達也

箕輪達也

二〇〇二年には学校週五日制完全実施が予定され、家庭教育の重要性を再認識し、未来の子供たちのための望ましい環境づくりを課題として地域全体が取り組まなければならない時代です。そして今日ほど親が本気で子供と向かい合い、子育てをすることが求められる時代はなかったのではないでしょうか。


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