教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-038/52page

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県立学校だより

県立学校だより



スポーツ鍼灸(しんきゅう)への取り組み

県立盲学校


本校は、視覚に障害のある児童生徒が学んでいる学校で、昨年創立百周年を迎えました。本校には小学部、中学部、高等部の三学部があります。

高等部には普通科、専門高校に相当する保健理療科〔あん摩・マッサージ・指圧師免許の国家試験受験資格が得られる課程)、そして専攻科理療科(あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、きゅう師免許の国家試験受験資格が得られる課程)があります。現在、県内各地から五十名の児童生徒が学んでおり、遠方の児童生徒は寄宿舎で生活しています。本校は、強い意志と実践力をもって社会参加に向けて努力する人間の育成を目指して教育を行っています。

県立盲学校

ここでは、本年四月から専攻科理療科の三年生の臨床実習の一環として取り組んでいるスポーツ障害に対する「スポーツ鍼灸」について紹介します。

スポーツ障害とは、「筋肉等の過度の使用や小さな外傷の反覆などが主な原因となって発症するもので、痛みを主症状とし、スポーツ活動、あるいは日常生活に支障をきたすもの」と定義されています。肩こりや腰痛を対象にしたあん摩や鍼灸施術は、以前から実施してきましたが、「スポーツ障害」のみを専門に扱う鍼灸施術を授業の中に初めて取り入れることについては、スポーツ選手は常に記録や結果が付きまとうため、確実にしかも短時間に施術効果をあげられるかどうかが心配でした。

県立盲学校

しかし、実際に担当する生徒への集中講義と実技指導が身を結び、外来患者の施術も思いのほか好評を得ることができました。新聞やテレビでも取り上げていただき、県北の高等学校の運動部の生徒や一般企業のスポーツ愛好家など、延べ約四十名が来室しました。患者の中から八月に岩手県で開催されたインターハイに出場したバドミントン選手も現れ、生徒達も自分達の事のように喜んでおります。この実習を通して臨床経験の幅が広がり、生徒の反応も大変好評です。今後とも研究を深め、生徒の社会自立に向けてより一層努力していきたいと思います。


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