教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-008/48page

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特集 1

これからの学校教育

総合的な学習の時間Q&A

義務教育課



現在、各学校においては、新学習指導要領の趣旨を正しく理解し、創意工夫を生かした特色ある教育、特色ある学校づくりの構想に基づき、それに沿った計画立案が進められている。

そこで、新教育課程の中でも最も関心が寄せられている『総合的な学習の時間』についての予想質問を「Q&A」形式で述べる。


Q1:「総合的な学習の時間」とはどのようなものか。

A1 「総合的な学習の時間」は、各学校が地域や学校、児童生徒の実態等に応じて特色ある教育活動を展開し、教科の枠を超えた横断的・総合的な学習などを、より円滑に実施するための時間として創設されたものである。

この時間は、小学校では第三学年以上の各学年に週当たり三単位時間程度、中学校では各学年週当たり二単位時間以上が充てられた。

この時間の学習活動は、各学校がそれぞれの地域や児童生徒の実態を踏まえて決めていく。具体的には、例えば国際理解、情報、環境、福祉・健康など横断的・総合的な課題、児童生徒の興味・関心に基づく課題、地域や学校の特色に応じた課題などについて、各学校が適宜学習課題や活動を設定して展開することとなる。そして、この時間では、学校内外にとどまらず、地域の人々の協力や地域の豊かな教材、学習環境を活用しながら体験的な学習、問題解決的な学習を積極的に取り入れる。これにより、児童生徒に、自ら課題を見つけ、自ら学び自ら考え、よりよく問題を解決する資質や能力、情報の集め方、調べ方などの学び方やものの考え方を身に付けさせる。

各学校が創意工夫を生かし、全教職員が一体となり、地域や家庭との連携を図りつつ、この時間に積極的に取り組むことが期待されている。


Q2:「総合的な学習の時間」を計画するに当たって先ず実態把握からと言われるが、どのような視点から進めればよいか。

A2 「総合的な学習の時間」は、特定の教員が担当するものでなく、校長、教頭をはじめ教諭、養護教諭、学校栄養職員、講師等を含めた全教職員が一体となって取り組むことが趣旨を生かすうえでも重要なことである。また、児童生徒、学校、地域等の実態に即応した教育活動を進めていくことが最も効果が期待できる。従って、実践にあたっては、これらの教育力や課題を明らかにするとともに生かすことが大切である。つまり、実態把握が第一歩と言われるゆえんはそこにある。

先ず各学校で調査項目を設定し実態把握に努め、これを基に学校教育が目指す方向を見定める。そうして、学校の教育活動全体の中の「総合的な学習の時間」の位置付けを明らかにするとともに、実践までの構想を明らかにしたい。

次頁の実践例は、平成十一年度から三年間「総合的な学習の時間」に係る文部省指定研究開発学校である福島市立福島第三小学校の第一年次研究経過報告書の一部を抜粋したものである。初年度の実態把握の様子を、参考にしていただきたいと考える。なお、実態把握の視点設定は一例であるので、各学校での工夫が必要である。


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