教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-015/48page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

一 「外国語」新設の趣旨

近年、子供たちが外国人と触れ合う機会や日常生活の様々な場面で外国語が用いられることが多くなっています。そうした国際化、情報化の進展等社会の変化に対応し、生徒の生活を豊かにするとともに、卒業後の社会生活への適応を円滑に進めることができるようにする観点から「外国語」が新設されました。

知的障害教育では初めての選択教科であり、各学校においては、学校や生徒の実態を十分に考慮し、必要に応じて「外国語」を設けることができることになります。

二 「外国語」の目標・内容

新学習指導要領に示されている「外国語」の目標及び内容は表2のとおりです。なお、内容は「英語」に関するもので、それ以外の外国語の内容については、英語に準ずることとなっています。

三 「英語」の内容の具体例

(1) 中学部の場合

●アルファベットに関すること
●色、動物、食品、文具、乗り物など、身近で簡単な英語の語に関すること
●簡単なあいさつやお礼の言葉など生徒がテレビ等から視聴する英語の表現に関すること
●新聞や広告などで目に触れる英語の表現に関すること
●自分の名前を話す、イエス・ノーなど簡単な質問に応じる、簡単な英語の歌を歌うなど初歩的な表現に関すること等


表2 「外国語」の目標と内容
中  

学   

目標 外国語に親しみ、簡単な表現を通して、外国語や外国への関心を育てる。
内容 (1)アルファベットや簡単な語に興味や関心をもつ。
(2)簡単な英語の表現に興味や関心をもつ。
(3)簡単な英語を使って表現する。

目標 外国語でコミュニケーションを図る基礎的な能力や態度を育てるとともに、外国語や外国への関心を深める。

〔1段階〕
(1)簡単な英語を使ってやりとりをする。
(2)簡単な語、句、文を読んだり書いたりすることに親しむ。
(3)日常生活の中で見聞きする語や句の意味を知る。
〔2段階〕
(1)初歩的な英語を使って簡単な会話をする。
(2)簡単な文を書いたり読んだりする。

(2) 高等部の場合

●英語でのあいさつや簡単な質問
●応答に関すること
●日常生活で見られる品物の名称、数詞、好きなことや好きな物、欲しいことや欲しい物などを表す語句の読み・書きに関すること
●パンフレットや看板、標識など生徒が目に触れる語句の意味に関すること
●品物の値段や自分の行きたい場所を聞く、自分の要求を伝える、簡単な説明をするなどの会話に関すること
●簡単な手紙の読み・書きに関すること
●辞書の活用に関すること等



四 「外国語」の指導に当たって

「外国語」の指導に当たっては、ただ単に教室で外国語を読んだり、聞いたりするのではなく、生活上必然性があり、喜びを感じることのできる活動を生徒が実際に行う中で外国語を学び、それが日常の生活の中に生かされるようにすることが重要です。

そのためには、例えば、英語を話す外国人との交流を通して、外国の人々と気持ちを通わせながら共に活動し、英語に触れる機会を設けたり、生活単元学習を展開する中で、実際の生活や活動に関連する英語の語句を扱いながら英語の基盤を培ったりすることなどが大切になってくると考えられます。

県立富岡養護学校
外国入との交流の様子(修学旅行にて〕
─県立富岡養護学校―

おわりに

前回、今回と二回にわたって、養護教育にかかわる教育改革及び新教育課程等について述べてきました。各学校においては、新教育課程の趣旨を十分に生かし、特色ある教育活動を展開する中で、児童生徒一人一人の社会参加・自立が一層図られるよう努める必要があります。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。