教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-016/48page
研究実践 1
気づく目・感じる心を育てる環境教育
〜ふみ出そう、ふるさとファミリーの一員として〜
伊達町立伊達小学校
一 研究主題設定の理由本校は、伊達町西部に位置する。学区内は国道四号線に沿った商工業地帯であり、新興住宅地として整備がすすみ、町ぐるみで「環境にやさしい町づくり」が推進されている。
しかし、児童が自然と直接ふれあう機会は減少し、自然のよさや環境問題と自分とのかかわりの認識が年々低くなる傾向が認められる。そのため、「ふるさとに住むすべての命あるものは一つのファミリーであり、自分もその一員である」という「共生」の考え方に立ち、自分たちのふるさとを愛する心情を児童一人一人に養っていくことが必要であると考えた。
そこで、自分たちの「ふるさと伊達町」の自然、社会、文化等の環境から発達段階に即した地域素材を取り上げ、足元から学習をすすめていくことにした。身近な環境とふれあい、環境への思いを深め、環境に働きかける多様な体験活動を積み重ねることによって、環境と自分とのかかわりに気づかせ、環境に対する豊かな感受性を持つ児童を育てたいと考え、本主題を設定した。
二 研究の見通し
研 究 の 見 通 し 日常の教育実践を環境教育の視点から見直し、以下の視点に基づく手立てを工夫すれば、気づく目・感じる心を持ち、環境に自分のできることからはたらきかける児童を育てることができるであろう。
視点1〈ふれあう〉 視点2〈ふかめる〉 視点3〈ふみだす〉 ◇豊かなものに触れさせ、それをもとに考えさせる場を設定する
〇五感を働かせるような体験学習
○ふるさとの環境をとりあげる(飼育・栽培・観察等体験を通して)
○豊かな人間性を持つ人々との出会い
○資料の収集と活用(環境コーナーの充実等)
◇多面的な見方や考え方を養う指導法を工夫する
○児童の驚きや発見・疑問等に基づいた活動の構成
○環境と自分のかかわりを身近にとらえる工夫
○見えにくい環境事象を見えるように提示する工夫
○体験活動の意味をとらえるための表現活動の場の設定
◇よりよい環境の創造活動への参加をうながす
○校内における主体的な実践活動
○環境行事の紹介と参加への意欲づけ
○家庭・地域への広報・啓発
○専門機関等との連携
三 研究内容
(一)「環境にふれ、環境への思いを深める」学習活動の工夫
1)各教科・領域における環境についての学習
○ 内容・方法の両面からの関連づけ
○既習内容を生かせる場づくり
○学び方の定着と広がり
2)生活科・創意の時間「若あゆタイム」での発展的な学習活動
○テーマにそった課題の主体的追究
○体験を根底においた学習活動
(二)「環境にふれ、環境づくりにふみ出す」実践活動の工夫
1)主体的に環境にかかわる委員会活動
○ペットボトルリサイクル(グリーンパラダイス委員会)等
2)ともに学ぶ縦割り活動
○ネイチャーゲーム、秋の味を楽しむ会、ふるさと美化活動
3)環境に対する意識を高める集会活動
○環境集会、健康集会
4)地域に根ざした栽培体験活動
○稲、果樹、野菜等の栽培
5)外への発信・外からの受信
○ケーブルテレビ、Eメール等