教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-017/48page
四 研究の進め方 児童の発達段階に応じて次のような「実践プラン」を作成し、各ブロック、各学年ごとにテーマを決めて実践を進めた。
《中学年の例》
学年段階 主となる活動の範囲 環境学習テーマ 取り上げる対象 活動の視点 ふるさとの素材 育てたい姿(ブロックテーマ) 中学年 3 みんなが住む町のよさを感じる活動 りんご大スキ!だて町大スキ! りんごを軸とした自然・社会・人的環境 東小との交流で伊達町のよさを内側から見つめる くだもの栽培農家、摺上川周辺愛宕山、共選場
浄水場、下水処理場、クリーンセンター、摺上川ダム、西根堰
伊達町を見つめ、そのよさを表現し、ふるさとの環境を愛することのできる児童 4 手をつなごう!ぼくとしずくくん 水を軸とした自然・社会・人的環境 茂庭小との交流で伊達町のよさを外側から見つめる
五 実践の概要
ここでは「三研究内容」で述べた「生活科・創意の時間での発展的学習活動」について述べる。
(一) 低学年ブロックの実践
「自分の町を知り、楽しむ」ため、生活科の年間指導計画を見直し、活動の場と時間を確保した。
〇一年生「こんにちはきせつとともだち」
〇二年生「なかよくしょうきせつとともだち」
五感をつかう体験活動の工夫を通して、遊ぶ楽しさを十分味わい、身のまわりの四季の自然、地域行事等に親しむこと ができた。〈実践例〉ゲストティーチャーとの活動、野菜栽培、収穫祭等
(二) 中学年ブロックの実践
「四 研究の進め方」で述べた「実践プラン」に沿って実践し、ふるさとの環境の「よさ」「大切さ」を実践することができた。
〈実践例〉交流校との見学学習やEメール交換、りんご栽培体験、表現活動(「アップルランド」「しずくくんランド」等)、ゲストティーチャーとの交流等
(三) 愛護学級の実践
「みんな友だちわくわくランド」生活単元における多様な体験活動の工夫を通して、身近な自然や人への興味・関心を広げることができた。
〈実践例〉親子活動、栽培活動、エコペーパー作り、誕生会等
(四) 高学年ブロックの実践
「自分たちの手で町づくりにふみ出す」活動に自分の願いをもとに取り組めるよう、コース別の課題解決的な学習を取り入れた。
〇五年生「いっしょにくらそうみんなと自然と」
〇六年生「ホームタウン伊達わが町」ふるさとの環境の実態を調べたり、よりよい町づくりを提言したりすることを通して、自然と人間の共生のあり方を自分なりに考えることができた。
〈実践例〉インターネットやEメールでの情報収集、子ども議会での提言、ケーブルテレビの活用等
六 成果と課題
○身近な環境と自分とのかかわりに気づく目が育ち、環境に対する感受性が高められた。
○家庭や地域においても、自分にできることから実践にふみ出す姿が見られるようになった。
●より一層の地域素材の開発と体験活動の充実に努める。
●家庭や地域と連携して児童の変容の見取りを進める。