教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-018/48page
研究実践 2
マルチメディア活用方法
研究開発事業
県立南会津高等学校
一 はじめに県立南会津高等学校は福島県の南西部、南会津郡の南郷村に位置する全日制普通科高校であり、全校五クラス生徒一五七名の小規模校である。平成八年度より四年間文部省の「へき地学校マルチメディア活用方法研究開発事業」の指定を受け、研究協力校である清陵情報高等学校とともに研究実践を行ってきた。
二 研究主題・内容 研究主題を「テレビ会議システムを利用した学校間連携」と設定し、「次世代の学校教育の可能性を探る」こととした。都市部の高校とへき地にある高校の二校間に、テレビ会議システムを構築し、このシステムを授業や特別活動で活用した学校間連携の方法について研究を行った。
実際にはこのシステムを利用し、清陵情報高校の教師が本校生に授業をする形態で、「情報処理技術」と「簿記」の授業を行った。また、特別活動として、合同LHR・講演会・生徒会交流を行った。
三 テレビ会議システムの構築 テレビ会議システム本体の他に、書画カメラ、電子ボード、パソコンの画面のRGB信号をビデオ信号に変換する装置、遠隔教育LANシステムを備えた。
図 テレビ会議システム
四 研究実践
二つの科目とも清陵情報高校三名、本校二名の教師が担当した。リアルタイムでの映像の交換による授業で、生徒は高い関心をもって授業に臨んだ。生徒たちは、回を重ねるにつれて、このシステムでの授業に違和感を感じなくなり、あたかもひとつの教室で授業を展開しているようであった。
(一) 情報処理技術
授業では、ワープロ・表計算・画像処理やホームページの作成を行った。その中で、生徒の疑問、質問に対し正確に答えることができ、次のような成果を得ることができた。
1) 生徒の興味・関心を高めることができた。
2) 生徒は確かな技術を身に付けることができた。
平成九年度は、受講者全員がワープロ検定・情報処理技能検定に合格するなど、資格取得にも役立った。
今後の課題としては、次のようなことがあげられる。
1) 生徒用ディスプレイを確認するために、映像コンバータやLAN・パソコン会議システムを用いた設備を構築したが、画像の劣化や送信時間がかかる。
2) テレビ会議システムを利用した授業のための教材開発が必要である。