教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-033/48page

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の内容を考えながら学習に取り組むことができるようになりました。また、単独教科では組み入れられなかった体験活動や校外学習などの時間が十分に確保され、「緑の少年団活動」(縦割り班)による、せせらぎスクール(河川の水質調査)や、「学校林」での除伐体験、植樹など、身近な環境に目を向けた学習が展開できるようになりました。その結果、児童の学習に対する意欲が持続するようになり、より主体的に学習に取り組む姿が見られるようになりました。

今年度は、「福祉・健康」の分野でも取り組み始め、「自ら学び、共に高め合う児童の育成」を目指し、全職員一丸となって努力しているところです。

和紙づくりに挑戦〜牛乳パックを利用して〜
和紙づくりに挑戦〜牛乳パックを利用して〜



全校読書会の実践を通して

須賀川市立小塩江中学校


本校では、平成八年度より読書習慣の育成並びに図書館利用の活性化を図る目的で全校読書会を実施しています。当初は、一日だけの設定でしたが、平成九年度からは新校舎となり、図書室も将来の地域開放を見通したすばらしい環境となったこともあって、さらに発展させた形で行っております。これは、教育相談期間中の毎日一時間を読書の時間とし、全校一斉に読書するものです。各学年ごと、三冊の課題図書の中から選択したものを読み、読み終えた生徒は、自由に図書室から借りてきた本を読みます。課題図書については、全員が読後感をまとめ、各学級ごとに発表し合います。その中から代表者二名を選出し、全校読後発表会を開きます。読後発表会は生徒会専門部の図書部が企画運営し、昨年度は代表の発表の他に、生徒から「私の感動した一冊」、先生から「みんなに薦めたい本」の紹介があり、また図書部員からの図書案内も行われました。 

本校は、小規模校のため部活動も運動部が主で活発に活動していますが、読書会の時間は全員が熱心に読書に励み、昼休みなども図書室で読書する生徒の姿が多く見られます。また、本の貸出数も昨年度よりさらに増え、図書館の有効利用が図られています。

次年度は、朝の読書期間を設定し、読書を通して潤いのある学校生活を送らせたいと考えています。

須賀川市立小塩江中学校


少人数を生かした表現力の育成(国語科の授業を通して)

常葉町立関本小学校


「おむすびころりん、すっとんとん……」一年教室から元気のよい音読劇が響いてきます。

本校は、阿武隈高原の山ふところに抱かれた、児童数九十四名の小規模校です。今年度、福島県へき地・小規模学校教育研究会田村支部の指定を受け、『小人数の特性を生かし、進んで豊かに表現できる児童の育成』というテーマのもとに、国語科の研究に取り組んでまいりました。

物語教材の授業を通して、「基礎的基本的な読みの力を身につけ、豊かな表現ができる児童」を育成することをめざしてきました。

具体的には、「○○劇を発表しよう」「続き話を作ろう」というような目的意識と「チャレンジタイムで発表しよう」というような相手意識を持たせ、多様なワークシート、吹きだし、付箋紙等を取り入れた一人調べ学習を展開しました。そして、学んだ読みや言葉を生かした多様な表現活動を工夫しました。新聞作り、音読劇、主人公への手紙、続き話といった表現活動の中で、自分の言葉で自分の考えを表現できる力が身についてきました。

また、学年の枠を越えた「読みの交流」の場としてチャレンジタイムを設定し、学年に応じた多様な表現のよさに触れさせる工夫もしてきました。

現在も、小人数を生かし、一人一人の表現意欲を引き出して、のびのびと豊かに表現できるよう指導法の工夫・改善に努めているところです。


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