教育福島0223号(1999年(H11)11・12月号)-034/48page
養護教育センター通信
一人一人が生きる専門研修
児童生徒は、一人一人かけがえのない存在として、この世に生を受けています。「子供たちは未熟な雛鳥ではなく、人間の一生の中で最も豊かで、意味深い知的労働者であり……(灰谷健次郎著『子どもに教わったこと』)」
学校、幼稚園は、そんな子供たちの学びの場でなければなりません。子供たちは、手を使い、目を使い、耳を使い……自然を事物を人を学びの対象にして盛んに活動しています。私たちは学びの場でどんな準備をして、どんな方法で子供たちの学習を成立させたら良いのでしょうか。生き生きとした子供たちの活動を展開するため、今年度も当センターでは、「さあ、はじめよう!」を合い言葉に、専門性を高め、知見を深め、主体的に学び合う研修を実施しています。
では、これまでの主な研修講座をご紹介しましょう。
一 養護教育研究実践講座 本講座は、一年を通じて教職員としての自己の課題の解決に向けて研修を行うものです。小学校の特殊学級担任を含め四名の受講者が、研究のテーマを設定し所員とともに解決の方法や仮説の検証、研究のまとめ方など研修を深めています。
二 自閉症児の教育研修講座 盲・聾・養護学校はもとより幼稚園、保育所、小・中学校の教職員が研修講座に参加しました。
情報の識別、音声表情の読みとり、時や場所など状況の変化等に弱さがある。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 激しい混乱、強いストレス、非常な不安定さ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 表面に現れる行動として
自傷、他傷、破壊、異食、かんしゃく、常同、固執行動など研修講座資料より 本研修講座では、児童生徒の混乱している状況に対して環境をいかに改善し、教育内容や方法を考えていくべきかについて、総合的、分析的に、医療面も含めて専門的な講義、演習、協議を行いました。
三 学習障害(LD)児の教育研修講座
小学校、中学校からの参加が多く、高等学校、幼稚園、保育所からの参加者も見られました。小学校の通常学級で指導をしている中央講師を招き、配慮事項、疑似体験などの講義を行いました。三日間の受講が難しい方のための公開講座も同時に開催しました。
LDは症候群であり、同質の物ではないが、どのLDも何らかの社会的行動の困難