教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-007/48page

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年頭のあいさつ

年頭に当たって

杉原陸夫

福島県教育委員会教育長

杉原陸夫

明けましておめでとうございます。

皆様におかれましては、ご家族の皆さまとともにさわやかな新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。

さて、県教育委員会におきましては、平成十二年度を最終年度とする第四次福島県長期総合教育計画に、「新世紀ふくしまを担う『明るく個性豊かな人間の育成』」を基本目標に掲げ、これに基づき諸施策事業を積極的に推進してまいりました。

新しい年におきましても、これまでの諸施策事業の成果を踏まえるとともに、教育を取り巻く環境の変化や県民の皆様の期待を見極め、二十一世紀を担う子どもたちを健やかに育んでいくため、新たな視点と将来展望に立って、教育文化行政を進めてまいりたいと考えております。

小・中・高等学校教育につきましては、児童生徒の一層の基礎基本の定着を図るとともに多様な進路希望の実現を期するために、本年度で終期となる「学力向上IDプラン」と「学力向上サクセスプラン」の成果を踏まえて、ティーム・ティーチング等を活用した個に応じた指導の充実や、特色ある学校づくりを目指し各学校の主体的な取り組みを支援すること等、新たな施策を鋭意推進してまいります。

また、「アクアマリンふくしま(ふくしま海洋科学館)」につきましては、七月の児童生徒の夏休み前には開館できるよう進めてまいります。この他、「ふくしまマナビィネット」をインターネット化することにより一層の利活用に努め、県民だれでもが、生涯にわたって学ぶことのできる生涯学習の一層の振興に努めてまいります。

さらに、次の時代を担う子どもたちが、これからの男女共同参画社会に生きる感性や意識を育成していくという男女共学の意義について県民の理解を得るとともに、必要な施設等の整備に努め、県立高等学校の共学化を進めてまいる考えであります。

県立養護学校については、すべてに高等部を設置するなど、教育の機会拡充に努めてまいりましたが、今後とも、養護教育における教育内容の一層の充実に努めてまいります。

文化関係につきましては、愛称「まほろん」と命名された「福島県文化財センター白河館(仮称)」の開館に向け整備に努めるほか、文化財の保護の普及啓発をはじめ芸術・文化の一層の振興に努めてまいります。

スポーツの振興につきましては、「二〇〇〇年とやま国体」男女総合成績十位台を目標に「スポーツに強いふくしま」を目指すとともに、総合型地域スポーツクラブの普及育成に努めてまいります。

最後に、これらの諸施策等事業を推進するに当たり、常に心に留めておいていただきたいことが一つあります。それは、人々の間にある「しきたり」という言葉であります。この「しきたり」は、習慣の積み重なりの中で、いつしか社会の中で法的性格を持つようになったものであります。私たちは、これまで仕事を進めるうえで、何が最善かを自ら考えることなく、「しきたり」に囚われて、たくさんの思い込みをしていたところはなかったでしょうか。「しきたり」は、絶対の存在ではなく外的あるいは内的な要因の変化を受けて、変わるものなのだと思いますし、変わらなければならないものであるとも思います。もう一度、自らを真摯に省み、今考えられる最善のシステムを再構築して、県民の皆様の負託に応えられる仕事をする一年にしたいと思っておりますので、皆様の力強いご協力をお願いし、年の始めのあいさつといたします。


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