教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-010/48page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

「学習意欲を引き出す社会科の指導」

〜個のよさを生かした学習活動の工夫〜


『わたしたちの生活と食料生産の実践例』

川井 孝寿

喜多方市立第一小学校教諭 川井 孝寿



一 主題設定の理由

今年度、新しいクラスでの初めての社会科の授業において、社会科に対するイメージを自由に話し合わせた。すると、見学が楽しいという声が聞かれたが、意外にも面倒くさい、つまらない、といった残念な声も多く聞かれた。

私は昨年度まで、「社会的なものの見方や考え方を育てる実践」をテーマに、主に、体験的学習やディベート的な話し合い活動を通した思考・判断力を高める研究に取り組んできた。その中では、児童の意識や活動の変容等から学習意欲の高まりを十分感じ取ることができた。しかし、自分自身の実践を省みると、私の感じた児童の学習意欲というものも、実は教師によってつくられたものではなかったのか、つまり体験的な学習や様々な課題追究の工夫も、教師主導型で、児童の一時的な興味・関心をあおり立てていただけに過ぎないものではなかったかという大きな疑問が浮かび上がってきた。

また、今年度から本校の研究には社会科と他教科及び領域との関連を図る体制が組織化された。来年度から新しく移行される「総合的な学習の時間」を見据えたものであるが、この学習の基本となるのは児童の興味・関心、つまり学習意欲である。それも、学習の楽しさに気付き、児童の内面から湧き出てくる意欲でなければならない。

さらに、今の児童が中心世代として担うべき二十一世紀は、現在にも増し、国際化・情報化、価値観の多様化等が進み、ますます複雑化していくものと思われる。私は児童に対し、そのような社会にあっても社会的事象に自ら働きかけ、適切に対応し、自己の存在を認識しながら生き抜く力を身につけてほしいと願っている。

そこで、本実践研究を通して、個のよさを大切にしながら基礎的・基本的な内容の定着を十分図り、自分のよさに気付かせるとともに、学習意欲を培いながら、生きる力を育成したいと考えた。



二 研究の見通し

(1)研究仮設

個のよさを生かした学習活動を工夫すれば、児童は社会的事象に対する興味や関心を高め、意欲的に課題を追究することができるようになるであろう。

(2)概念規定(省略)

学習意欲と生きる力との関わり

学習意欲と生きる力との関わり
学習意欲と生きる力との関わり




[検索] [目次] [PDF] [前][次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。