教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-011/48page
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三 研究計画(省略)
四 研究内容と方法【検証課題・1】
「個のよさを生かす」
(1)児童の実態把握
社会科の学習に関する児童の意識を把握する。
(2)個人カルテの累積
一人一人の変容やよさを把握し、授業の中で生かす。
【検証課題・2】
「学習活動を工夫する」
(1)学習の見通しを持たせる。
社会科の学習の流れや進め方を理解させる。
(2)問題解決型学習を展開する。
一入一人の課題を大切にした問題解決型学習を展開する。
(3)資料活用の技能を高める。
課題追究に必要な、資料の読み取り方を指導する。
(4)話し合い活動を工夫する。
ディベート的な手法を用いて課題に対する話し合い活動を位置付ける。
五 研究の全体構想(1)構想図(資料1)
(2)基本的な考え方
○個のよさを理解し、児童に寄り添いながら授業を展開すること、そして、児童にわかる楽しさを味わわせ、児童の内発的学習意欲を喚起させることの重要性を検証する。
○児童の学習意欲を喚起させる場面での、既存の資料活用や話し合い活動の工夫の有用性を検証する。
資料集を用いての一人調べ
六 研究の実際と考察【検証課題・1】
(1)アンケートによる実態調査
児童の学習意欲を高めるために、児童の社会科学習への思いや願いを調査する。
1)研究の実際
四月に、次のような項目についてアンケートを実施し、実態把握に努めた。
○社会科の好き・嫌いの度合い
○学習内容の理解に対する自己評価
○学習活動に対する嗜好
○社会科学習の有効度に対する自己評価
2)考察
「内容がよく理解できない」と答えた児童が、社会科を嫌う傾向にあった。また、全体的に調べ活動や話し合い活動といった思考に重点が置かれるような活動よりも、体験や見学といった体感できる活動を好んでいた。
このことから児童の好む体験的学習などを多く展開すべきと考えられるが、一時的な楽しさを味わわせるのではなく、「わかる喜び・楽しさ」を味わわせ学習への自信を持たせることが先決であると思われた。加えて児童にとって必要感の強い、つまり生活と密接に関わる題材や課題開発の重要性も浮き彫りにされた。
(2)個人カルテの累積
授業や生活における児童の表情、動作、発言など、児童の日々の変容を記録したカルテを基に児童理解に努める。
1)研究の実際
児童一人一人の考え方、感じ方、行動の仕方、生き方などの個のよさを次のような視点においてカルテを用いて記録・累積し、授業の展開に生かした。
○教師が今までに持っていたその児童の印象と意外なズレを感じた時
○教師が持っていた印象が、その児童の言動と一致した時
○教師がその児童について、心にとめておいたほうがよいと感じた時
2)考察
教師の、児童一人一人の個のよさを見つめようとする意識は確実に高まり、先入観や固定観念にとらわれず、多面的に児童を見つめることができるようになってきた。また、一人の個のよさを見つめることが、それに関わる他の児童の深い理解にもつながってきた。さらに、生活や学習における児童一人一人への思いや願いなども持てるようになり、適切な支援や援助による有効な学級経営を図ることができた。
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