教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-012/48page

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【検証課題・二】

(1)学習の見通しを持たせる。

自分の課題にこだわりを持ち、児童自ら主体的・意欲的に学習を進めさせるために、一連の学習の流れを示す。

1)研究の実際

以前、本校の社会科部会で研究していた「一単元一サイクルによる学習展開理論」を活用し、オリエンテーションを行って学習展開パターンを理解させた。

2)考察

学習展開パターンを示すことで、少しずつ課題追究への自信が見られるようになってきた。また、学級全体としての大課題を設定するにあたっても、互いの疑問をうまく集約しながら設定できるようになってきた。

(2)問題解決型学習を展開する。

一人一人の課題意識を大切にした課題追究の複線化を図ると共に、できるだけ一人調べの時間を確保するように努める。

1)研究の実際

『米作りのさかんな庄内平野』

米作りがさかんな会津盆地に住んでいる児童に、まず庄内平野を学習する必然性を感じさせることが重要であった。そこで、十アールあたりの生産量を示した資料に着目させ、庄内平野の米作りへの関心を高めさせた。

年度初めの単元ということで、手引を参考にしながらの課題作りではあったが、いくつかの疑問や予想が飛び交う中から、自然条件と人為的条件とに分類し、スムーズに大課題、小課題を設定することができた。

また、教科書や資料集を基本としながらも、図書室の活用等追究方法を自由にさせたこともあり、児童は互いに情報を交換し、それぞれ工夫しながら自分の課題追究に取り組んでいた。

『水産業のさかんな地域』

前単元の学習活動を生かし、追究活動に少しずつ自信が見られるようになってきた。

「魚を食する」以外、学習内容と生活との関わりが薄いため、活動の停滞が心配されたが、学習の流れが理解できたので、スムーズかつ意欲的に一人調べに取り組んでいた。

2)考察

児童の活動の様子から、課題の複線化や一人調べの時間の確保は、児童たちの課題追究意欲を高め、活動の様々な工夫を生み出すのに大変有効であったといえる。さらに、深い課題追究が、終末の話し合い活動の活性化にもつながった。

(3)資料活用の技能を高める。

自らの意欲的な課題追究を支える、資料活用の基礎的な技能を高める。

1)研究の実際(資料2)

『資料の読み取りの手引』を配付し、グラフや文章資料、図や写真の基本的な読みとり方を指導した。そして、授業や朝の時間などを利用してゲーム形式による地図帳での地名探しをしたり、資料集などから抜粋したグラフ等を児童に与え、気付くことなどを自由に書き取ったりする活動を行った。特に読み取れない児童には、ヒントやポイントを示し、最低限必要な情報を読みとることができるようにさせた。

社会科ワーク「何がわかるかな?」

社会科ワーク「何がわかるかな?」

2)考察

活動を重ねるに従って、児童は苦手意識が薄れ、自信を持ち始めてきた。また、普段使っている資料集からの抜粋ということもあり、教科書や資料集の資料に関心を示し、本文や解説な


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