教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-013/48page

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どを参考にしながら資料を読み直す姿も見られた。さらに、図書室の各種年鑑等の活用も見られ、資料活用の技能が、児童の主体的な学習活動にいかに大切であるかが検証された。

(4)話し合い活動を工夫する。

共通課題を解決するために、個別の課題追究で得た情報や知識の共有化を図る場としての、話し合い学習を工夫する。

1)研究の実際

課題に特徴を持たせ、本来ディベートが持っているゲーム的要素を授業(課題)の中に柔軟に取り入れ、抵抗感なく自分の考えを表現できることをねらいとしたディベート形式の話し合いを展開するよう心がけた。

児童が初めての経験ということを考慮し、比較的取り組み易い「価値論題」から展開し、意欲が高まったところで「政策論題」で話し合わせた。また、論題の内容はできるだけ児童の発言やつぶやきから取り上げるよう努めた。 

「価値論題」で行った「米作り」の学習では、児童は、自分の調べた内容や自分の価値判断をもとに、積極的な意見を交わすことができた。

一方、「政策論題」で展開した「水産業」と「食料生産」の学習では、課題が高度であったことや、資料・調査不足などから、話し合いが一部の児童に限られてしまう結果となった。

2)考察

本実践では、論題設定の難しさ、特に、「価値論題」での十分な練習が必要であることが再認識させられた。

しかし、論題立証のための調べ活動や学習後の感想からは、児童はディベート形式での話し合いには高い関心を示し、社会科の楽しさを実感できたことがうかがえた。



七 成果と課題

【成果】(資料3)

○アンケートによる実態調査やカルテの累積により、一人一人の学習への思いや願いを、学習展開の中で生かすことができた。
○基礎的な学力の定着や、追究方法の工夫により、学習意欲を高めることができた。
○話し合い活動の工夫は、課題追究意欲を高め、ひいては友達の意見やよさを受入れる態度の育成にもつながった。
○意欲の高まりが体験活動となって現れ、学習後も継続して取り組むことができた。

社会科の学習についてのアンケート
社会科の学習についてのアンケート
社会科の学習についてのアンケート
社会科の学習についてのアンケート

社会科の学習についてのアンケート


単元学習後の稲作りの体験活動
単元学習後の稲作りの体験活動

【課題】

●題材と児童との関わらせ方について、題材の開発や課題作りの方法等をさらに吟味しなければならない。
●児童の学習意欲を持続させ、深まりのある話し合いができるような論題の内容や設定のし方、話し合いの方法の習得について等、さらに研究を深める必要がある。


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