教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-016/48page
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ながめている者にとっては特別なものとは感じず目にしている。その美しく雄大な郷土の山や川をもう一度見つめ直し、自然を愛し、守ろうという気持ちや、美しいものを見て素直に感動する心を育てたいと考えた。また、他の教科や環境教育との関連をもたせ、将来実施される「総合的な学習の時間」にも対応できる道徳の資料を作成したいと考えた。
3)授業の考察と評価
今回は一単位時間の道徳の授業として実践をしたが、「親子奉仕(除草)作業」や「地域生徒会活動」、日常の清掃活動や委員会活動などと意図的に結びつけた指導を行った。これらで見せる意欲的な活動から、生徒の道徳的実践力の向上が評価できる。
これらを、体験活動との関連や「総合的学習」の時間として実践が図られ、その効果が高められるであろうと考える。
資料の提示の方法として、二種類のカラー写真を利用した。これは、高村光太郎が見たであろう安達太良山の姿と、指導者が感動を受けた安達太良山の姿である。隣の席の生徒にそれぞれの写真を配付し、教師の説話の段階でその意味を説明した。このような資料提示における一工夫が、その資料の持ち味を最大限に引き出すことにつながった。
(2)「やりぬく心」を育てる実践と「今を生きること」を真剣に考える心を育てる実践
※「総合単元的道徳学習計画」参照
1)生徒の実態
昨今の中学生は、ものごとを成し遂げようとしても、困難に
直面すると簡単に挫折してしまうことが少なくないと言われている。事情は様々であろうが、正しいと考えた目標が独断に過ぎなかったり、実行していくための合理的な計画性や見通しに欠ける面によることが多いと思われる。
また、中学三年生ともなると卒業後の進路について、考えなければならない。自分の適性を知ると同時に、具体的な進路計画を立て、その目標に向けて強い意志をもって取り組んでいくことが必要である。
総合単元的道徳学習計画
2)資料について
学校での諸活動でのねらいと「道徳の時間」の内容項目とを有機的に結びつけるためには、教育活動全体を各領域のねらいの達成と併せて、豊かな道徳的体験の場、道徳的実践力を高める場としてとらえ、「道徳の時間」を核とした意図的な指導をしていくことが大切である。その「道徳の時間」では、生徒が興味や関心をもつ資料を開発したり、個に応じた指導を工夫したり、また、豊かな体験活動との関連を意図的、計画的に結びつけていくものにする。
核になる道徳の時間の資料として、「強い意志」を主題とした資料と「生命の尊重」を主題とした資料を、生徒の身近な人物やできごとを題材として作成したいと考えた。
3)授業の考察と評価
『「やりぬく」心を育てる授業』を実践した十二月には私立の高等学校の推薦選抜試験が行われるということで、生徒達にも緊張感が高まった。また、この時期に行われた教育相談では希望する高等学校と自分の実力との
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