教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-020/48page
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うから一緒にがんばろうね」など、笑顔で優しく声をかけるが「ふざけんな!」と叫び、支援を全く受け入れようとしない。「何がしたいの?」と聞くと「ポケモンランドで遊びたい」と話すので、学習を中断して自由に遊ぶように促す。しばらくすると気分転換ができた様子で「次はトゲピーに正三角形をはるぞ」と言いながら笑顔で出てくる。その後の学習には、安定した気持ちで大変意欲的に取り組んだ。(3)考察
遊戯的な活動場面や心が安らぐ空間を設定したことは、興奮や緊張感を和らげ、情緒の安定を図るための有効な手立てとなった。
児童が混乱状態に陥った時は、教師は感情的にならず「温顔」(温かい笑顔)で冷静に対処することが大切である。また、「生物学的には、脳脊髄液中のドーパミンやノルエピネフリン等の神経伝達物質の過剰分泌状態(興奮状態)である」ので、教師の意図した活動に取り組ませることは大変難しい状況であり、落ち着ける場所に移動させるなどして、興奮が治まるまで一定時間「待つ」ことが重要である。
学習意欲の高まり
学ぶ楽しさを感じながら
5 第五時「角の大小比較」(1)授業の目標
ポケモンのキャラクターがはってある三角形の角の大小を比べたり、確かめたりすることができる。
(2)授業の実際
正三角形と直角三角形のそれぞれの角を視覚的に意識できるように、ポケモンのシールをはって、個々に提示した。それによって、「カメール(の角)が一番大きい」「ラッキーは、一番小さい」と言いながら、意欲的に角の大きさ比べをしていた。
T児は、三角形を手にとって角の大きさを比べようとはしないが、「ピカチュウとカメールは直角で同じだよ」とY児に教えるなど、学ぶ喜びや自信を感じている様子であり、学習に対する拒否感は薄れてきているようであった。
Y児に対しては、あらかじめ予想されるつまずきや混乱の要因を取り除くように支援を進めてきたことにより、前半は教師の励ましを受けながら安定した気持ちを持続して
学習に取り組むことができた。しかし、T児がそばで解答を言ったことで「Tのばかやろう!勝手に答えを言いやがって!」と怒り出し、T児に乱暴する。そこでT児をY児から離した後、「Y君の気持ちはよくわかるよ」と優しく受容するが「お前もばかだ!」と言い、いらいらした気持ちを教師にぶつけた後、「部屋」へ入っていく。しばらくしてから、「Y君は一入でもできるんだよね。がんばってみようね」と優しく肩を抱いてなだめると次第に落ち着いてきた。その後は立ち直り、教師
温顔で包容力を持って支援
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