教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-029/48page

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そのような中、二〇〇二年からは学校週五日制が実施されることとなり、子供が家庭で、そして地域社会の中で活動する機会が多くなります。そのことは、家庭での親子の接し方、そして子供の成長を支える地域社会のあり方が、より重要視されるということです。

しかし、世間一般に子供の成績に関心はあるものの「子供の教育は学校任せ」と考えている親が少なくないのが現実ではないでしょうか。親は子育てに対してもっともっと自信と責任を持って対処しなければならないし、そうした心構えが当然求められることだと思います。

本来、父母と教師が協力し、家庭、学校、地域社会が一体となって子供の幸福な成長を図る目的で組織されているPTA活動は、今後ますますその内容の充実と積極性が迫られ、重要な役割を果たさなければなりません。しかし、現状はPTA活動に対する関心が薄れてきており、一般的に活動が停滞しているのではないでしょうか。

そうした状況を踏まえ、先日、町内の小中学校PTA会員が集い「会員の参加意欲を高めるPTA活動のあり方」を研究テーマとした研修会が開催されました。参加者からは、「活動がマンネリ化している」「学校行事は平日が多く仕事を持っていてなかなか参加できない」「興味の持てる事業を計画してほしい」などの意見が出されました。こうした問題にも前向きに対処するため、一人でも多くの保護者がPTA活動に参加しやすくなるよう、条件整備に努めることが大切だと考えます。

親として子供の教育についてもっと真剣に考え、同じ認識に立つPTA会員が中心となり、家庭、学校、地域社会の三者がいろいろな形で連携をとり、二十一世紀に生きる子供たちにとって夢と希望あふれる時代にして行きたいものです。

(安達町立安達中学校PTA副会長)

イラスト


笑顔(イイカオ)をあげる

管野晴子

管野晴子

―「お母さん、笑顔(イイカオ)あげる!これ、笑顔(イイカオ)だよ」―

長男が小一の時である。五月の第二日曜日の昼下がり、探検に行くと言って気の乗らない弟を率いて裏山に出かけた。日も暮れ始め、待つ側として胸の高鳴りが気になる頃、「ただ今……」としょんぼり顔で帰って来た。

一応、明るいうちに帰って来なければならなかったことを強く告げ、一息おいて言い分を聞いてみた。

「お母さんの大好きなこぶしの花を探しに行ったんだ。だって、今日(母の日)あげたかったんだもん……」めあての花を探してみたが見つからず、何か代用になるものをと考えた末、つくり笑顔をして見せることになったらしい。

本物の花よりも、自分たちに似合ったプレゼントができたことをしっかりほめてあげた。

幼かった頃聞いた日蓮の言葉をボンヤリ思い出す。

「あげるものが何もない時は、笑顔をあげよう。これなら心がけ次第でいつでもどこでも誰にでも出来るはず」……と。

本園のお母さん方の中にも、笑顔の素敵な方が沢山いらっしゃる。その中でも一際笑顔輝くあるお母さんには、反抗期真っ盛りの小二の男の子がいる。大衆の前で反抗的な行動をとると、とかくとがめがちになるのが一般的であろう。素敵な笑顔のお母さんはそこが違う。

持ち前の笑顔でうまくかわしてしまう。するとその場が何事もなかったかのような、いやそれ以上にいい雰囲気に一変してしまう。「反抗期どんと来い!」の感である。

集団の中には必ずふしぎ行動を


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