教育福島0224号(2000年(H11)1月号)-037/48page

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る子供とその母親のための教室」に母親と一緒に参加していました。教室では、A君に対して望ましい発達を促すための支援や母親に対して養育や療育に対する支援を行ってきました。

幼稚園入園後は、担任もその教室に時々参加し、共通理解を図りながら継続した支援が行われました。さらに小学校入学前に、学校の教師とこれまでA君にかかわってきた関係者が、A君の特性を生かすために今後、学校で配慮することについて話し合いを持ちました。

小学校では、担任の言葉がA君に理解しやすいような位置にA君の座席を配置し、個別的に配慮できるようにしました。今、A君は授業にも比較的落ち着いて取り組んでいるようです。また、A君を担当した保健婦も、時々、家庭を訪問し経過を観察しながら、母親の相談にのっています。

保護者は、A君に対するかかわり方や就学に対する不安がありましたが、A君の特性が理解でき、様々な立場からの支援を継続的に受けることにより、安心してA君と向き合えるようになりました。

○関係機関との連携

関係機関との連携
A君の相談における関係機関との連携



三 地域に根ざした相談システムの充実に向けて

地域社会の中では、いろいろな人々が共に助け合って生活をしています。その中で障害のある子供が生き生きと生活していくためには、保健センター、医療機関、幼稚園、小学校等との連携をもとに、地域ぐるみで支援していくことが一層大切であると思います。

そして、それぞれの障害に応じた教育を実践している地域の特殊学級、通級指導教室、盲・聾・養護学校などが、より一層地域の人たちと連携を図ることが重要になります。

当センターでは、これらの教育相談体制の確立をめざして、そのシステムづくりに取り組んでいます。そしてまた、特殊教育諸学校は、さらにその専門性を生かし、障害のある子供や保護者に対して地域における教育相談のセンター的な役割を担う必要があります。

今後は、このような子供たちが地域社会の中で豊かな生涯を送ることができるよう、地域の様々な資源を活用しながら、継続的に支援していくことが大切なことだと思います。

地域に根ざした教育相談システム例
地域に根ざした教育相談システム例

地域に根ざした教育相談システム例

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