教育福島0225号(2000年(H11)2・3月号)-033/52page
(3) 考察
昨年までは一単位時間の授業分析を主に観察法によって行っていたが、本年度は教科の特性を生かした観点別自己評価カードを作成することとした。この結果、児童の変容を客観的に分析できるようになり、次の学習への貴重な資料となった。
【仮説2】について
1 検証授業の累積
(1) 現状の問題点
それぞれのサークルに所属する職員の参観が中心であるため学年や学校全体に広げるための手立てが不十分であった。
(2) 研究の実践例
1) 実践内容
五・六年生の交流を通した体育の授業(異学年TT)
2) 授業者
T1…体育科サークル所属
T2…算数科サークル所属
3) 研究のねらい
〇 五・六年生の交流を通し、豊かな人間性を育成する。
○ 体育科サークル所属以外の教師に教科体育の在り方を理解していただく。
4) 単元名『マット運動』
(3) 考察
体育科サークル所属以外の教師に授業の進め方、技能のポイント、つまずきへの対応策などについての指導方法を理解してもらうことができた。
また、該当学年の教師には授業を参観していただき、今後の指導の参考にしてもらった。
単元終了後、「楽しかった」「学習の仕方がわかった」という児童の声が多かった。
2 体育だよりによる情報提供
(1) 現状の問題点
体育科サークルの活動により学習カードなどの情報提供は各学年間に広まりつつあったが、学校全体に広げる機会がなかった。
(2) 研究の実際
1)体育だよりの目的
○ 児童が楽しく学習を進めるための情報提供
○ 系統性、発展性をふまえた学習指導の情報提供
○ 学習の順序、形態、場の設定の情報提供
(3) 考察
多くの教師が体育だよりを授業に活用し、指導の参考にした。 しかし、文章表現が多すぎると敬遠される傾向にあるので、今後、絵やイラストを多く用いることに心がけていきたい。
3 実技研修による指導法の充実
(1) 現状の問題点
技能を伸ばすための運動の系統性・発展性が理解されておらず、学習の順序、方法、場の設定の仕方、指導のポイント等を知りたいという声が多かった。
(2) 研究の実際
1) 単元名
とびばこ遊び・跳び箱運動
2) 主な内容
○ 準備運動・補助運動
○ 下学年・上学年の学習内容
○ つまずきへの対応策
(3) 考察
跳び箱運動に必要な準備運動、技の系統性・発展性を考慮した運動の順序、場の設定の仕方、つまずきへの対応策等の指導方法は、児童の活動を通して具体的に理解してもらうことができた。「今後このような具体的指導方法を研修する機会をもっと増やしてほしい」という声が多く聞かれた。
資料5 体育だより
5 今後の課題
研究推進委員会の機能と教科サークルの特質を生かすことを柱に研究を進めてきたが、次のような課題も残された。
1 共同研究としての方向性を明確にしつつ、各教科サークルの特質が生かせる校内研修の在り方はどうあるべきか。
2 各教科サークルによる計画を推進していくため、研究推進委員会の果たす役割をどうとらえていくか。
これらの課題克服に向け十分に議論し、来年度の校内研修をスムーズに推進したい。