教育年報1958年(S33)-008/83page
問題点がある。
h その他教育委員の報しゅう,3人制委員会,委
員会の社会的地位,事務局統合等の問題等がある。
以上の問題点については,県教委としてはあらゆ
る機会を利用してその解決と前準のため努力してき
た。
B 市町村における教育予算の編成に関する指導
市町村における教育予算編成上の問題は長ならび
に長部局の理解と協力なしには解決が困難である。
このことは,地方財政の一体性を確保する新法の趣
旨からいって当然なことであるが,市町村における
関係者が教育予算において何が問題となっているか
問題の性質はどんなものか,それが教育現場の運営
にどう影響しているか等についての理解が不充分で
あるため,教委との間に無用の混乱を生じたり一方
的に圧倒削減し教育行政と財政面から圧迫している
という事実が見られた。さらにこのことは県地方課
の市町村に対する財政指導によるとされる場合もあ
り,県教委と県地方課との理解の統一による指導方
針の一致が現場から強く要望された。
かかる要望に基いて県教委は県地方課に対し次の
11項目について市町村財政指導の際の協力方を要請
し,かつ懇談を重ねた。
a 市町村教育委員会建設協議会の分担金が予算化
できるよう指導されたい。
b 市町村教育委員会事務局が適正なる組織を持つ
ようその職員の増置方について指導されたい。
c 教育長の給与が著しく低額のものについて,そ
の適正を期するよう予算措置方について指導された
い。
d 教育委員の報酬を日額支給している市町村にお
いては条例化して年額又は月額として支給するよう
指導されたい。
e 市町村教育委員会における教育予算執行におい
て長により教育委員会または教育長に対し適正な委
任または補助執行が行われるよう指導されたい。
f 義務教育教材費,教科書費(準要保護児童生徒)
その他国庫補助事業による予算を年度当初に措置す
るよう指導されたい。
g 学校医,学校歯科医に対する手当を適正額に増
額するよう指導されたい。
h 要保護,準要保護児童生徒の医療援助費国庫負
担事業にともなう予算を年度当初に措置するよう指
導されたい。
i 社会教育主事,社会教育主事補および公民館主
事の設置方についてその予算措置が行われるよう措
置されたい。
j 教職員の研修についてそれぞれの市町村教育委
員会が自主的に計画するものについて,これに要す
る経費を予算化するよう指導されたい。
k 公立学校施設設備事業において予算は年度当初
に所要経費の金額を計上するよう指導されたい。
この懇談の結果,県地方課に対し市町村予算編成
上の問題点について理解を得させる結果を得,県地
方課の積極的かつ適正な指導を求めることができた。
C 市町村教委事務局職員研修会
第3回を迎えた市町村教委事務局職員研修会は12
月に入り次の要項で実施した。
a 主催 県教委,連絡協議会
b 期日,会場,指導職員
○会津会場 12月8日・9日
次長,渡辺(秘)原田(学)遠藤(学)立沢(地方課)
○平 会場 12月12日・13日
学校教育課長,渡辺(秘)声関(学)中山(財)横田
(地方課)
○郡山会場 12月15日・16日
秘書室長,渡辺(秘)遠藤(学)中山(財)長谷川
(学)富田(地方課)
○福島会場 12月18日・19日
秘書室長,渡辺(秘)古関(学)中山(財)富田
(地方課)
c 研究主題
○教育委員会運営上の諸問題
○学校管理規則,処務規程運用上の問題点
○財務事務運用上の問題点
○勤務評定実施上の問題点
○教育課程,教材教具取扱上の問題点
D 結 び
市町村教育委員会も新法によって発足してから満
2年を経たわけであるが,真に市町村教育行政の完
壁を期するまでにはなお多くの解決さるべき問題が
残されている。しかしこれは市町村の財政事情,人
的構成,民主化の程度等との関連に由来するもので
あって,一挙に望ましい理想の境地を実現すること
は困難なことであろう。要は漸次あるべき姿に前進
させることであり,またこのことは,県教育行政,
国家教育行政との関連において解決されていくべき
ものと思われる。
4.表 彰
A 昭和33年度社会教育施設ならびに社会教育関係団
体表彰
a 優良団体