教育年報1958年(S33)-031/83page

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 (2)34年度の国の予算は約5億円で33年度の4億

 4千7百万円に比し約1割増になっている。従っ

 て本県配分額も1割程度の増が見込まれる。

8.理科実験講座の実施

A 理科実験講座の趣旨

 理科実験講座は,国が理科教育振興の一環として

理科担当教員の現職教育のため,33年度から5カ年

計画をもって行うもので,実施を各都道府県教育委

員会に委任したものである。すなわち,国立・公立

・私立小・中・高校(盲・ろうおよび養護学校の小・

中・高等部を含む)の理科担当教員の実験・観察・

実習等の指導力の向上をはかるのが目的である。

 受講対象としては,5カ年間に

 小学校部会では,全教員のおよそ10%以上

 中学校・高等学校部会ではそれぞれ理科担当教員

のおよそ50%以上

 が予定されている。

 講師としては,各県内の小・中・高校の教師およ

び大学教官,研究所・教育委員会指導部の職員等の

中から選ぶことになっている。

 7日間に行われる講座の内容は,

 小学校部会の班は理科班とし,小学校理科の全分

野について基本的な実験・観察・実習を題材とし,

その中に基礎的機械・器具の取扱い実験法を含める

ようになっている。

 中学校部会の班は分野別の2種,たとえば,物化

班・生地班とする。ねらいは小学校と同様である。

 高等学校部会の班は物理班・化学班・生物班・地

学班の4種とし,各科目についての基本的な事項に

関する生徒実験・教師実験を題材とする。

 経費については,国庫より諸謝金および実験材料

費として各県に支出委任されているが,その他の経

費については県費支出によっている。

 その他,この講座のためにテキストを文部省が作

成しているが,小・中・高における実験観察実習の

指導書として役立つものである。

B 本県の5カ年計画

 前記趣旨により,次のような5カ年計画を立てた。

福島県理科実験講座実施計画表

  理科担当
全教員数
5カ年計画の
受講者総数
年度別受講者数 
33年度 34年度 35年度 36年度 37年度
小学校 8,747 900 180 180 180 180 180
中学校 1,075 600 120 120 120 120 120


高等学校 物理 127 70 40 0 30 0 0
化学 189 100 40 30 0 30 0
生物 166 90 0 40 30 0 20
地学 17 17 0 0 0 17 0


c 昭和33年度実施状況

a 講座開設状況

昭和33年度理科実験講座開設状況

部会名 班名 会場名 受講者数 開催期間(実日数)
小学校   福大付小 45 8月4日〜8月10日(7日)
金透小 58 8月11日〜8月17日(7日)
会女高 50
不一小 46 8月8日〜8月14日(7日)
中学校  第一分野 福大付中  47 8月4日〜8月10日(7日) 
一〃 会女高 42 8月11日〜8月17日(7日)
二〃 不一中 39 8月8日〜8月14日(7日)
高等学校 物理 福島大学 32 8月11日〜8月17日(7日) 
化学 34
9班 7 会場 393  


b 実施状況

 小学校部会・中学校部会は,方部ごとに1出張所

が中心になって,講師・助手の選定,受講者の募集

決定,講座内容の細部の研究準備等いっさいを実施

した。実施内容は文部省の要項に準拠し,県召集の

理科実験講座指導者協議会の際打合わせた内容によ

るものであるが,会場によってそれぞれ特色がある。

野外の採集を特にとりいれたり,簡易実験器具の製

作を多く行ったりして地域の特色や要望を生かして

細密な計画にもとづいて実施したが,どの会場も好

評であった。

 高等学校部会は物理班と化学班とを開設したが,

準備や指導については専ら福島大学学芸学部の物理

教室ならびに化学教室の先生方のお力によるもので

あった。その周到なご準備と熱心なご指導は優秀な

施設・設備と相まって受講者をじゅうぶん満足させ

るものであった。また,受講者の経費節減のため,

紫寮雲を開放していただき,いろいろ宿泊の便をは

かっていただいたことも感謝にたえないところであ

った。

c 所見

 小・中・高各会場ごとこの講習会について受講者

および指導者の所見を求めてみたところ,いずれも

有意義な講習会であったことを認めていた。ただ経

費の点について,小・中学校部会では材料費を増額

してももっと教具の自作を充実してほしいという声

があったが,高校部会では宿泊その他の経費がかさ

むので,旅費の県費支出を要望する声があった。

 また中学校部会は3会場であったが,県南方部を


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