教育年報1958年(S33)-032/83page
も加えて県下4会場は必要なので,34年度は1会場
を増設し,県下各方部の先生方に受講の機会を均等
に与えたいと考えている。
最後にこの講座の会場である福大学芸学部物理学
教室・化学室・各小・中・高校・事務を担当された
各出張所・各講師・助手の先生方には僅少な予算で
多大の労力をおかけしたことについて,誠に申しわ
けなく,また感謝にたえない次第である。
9.産業教育振興法による事業
産業教育振興法が施行されて以来,本年度で第7
年目を迎えた。その間,産業教育施設,設備は逐次
充実し,直接産業教育の実験実習に役立っているこ
とは,本県産業教育振興のため慶賀にたえない。
しかし本県の施設,設備の現有率は,他県に比し
著しく低く,さらに今後の充実を期さなければなら
ない状態である。
本年度の産業教育振興法による国庫負担金は,科
学技術教育の振興,特に工業技術者の増加をはかる
目的で新設課程補助金を得て,機械および電子工業
課程各1校を増設したことは,本県工業教育振興の
ためまことに慶賀にたえない。さらに近代技術に対
応する設備として,農業・工業各1校あてに特別設
備を設置したことは,今後の産業教育振興上まこと
に喜びにたえないところである。
A 昭和33年度の実施状況
事業の内容は次表のとおりで,一般設備費打切り
のため総額は昨年度に比しわずか減少した。
昭和32年度産業教育振興費事業経費
事 項 所要経費 所要経費の内訳 備 考 国庫負担金 都道府県負担金 千円 千円 千円 高等学校産業教育設備費 15,243 5,081 10,162 特 別 設 備 費 4,500 1,500 3,000 会津工業300
岩瀬農業150新設課程設備費 6,363 2,121 4,242 平工業 電子工業科
磐城農業 機械科分 校 設 備 費 1,380 460 920 産業科設備費 3,000 1,000 2,000 福島工業機械科 高等学校産業教育施設費 24,966 8,322 16,644 819.5坪 一 般 施 設 費 16,464 5,488 11,076 550.5坪 新設課程施設費 3,940 1,313 2,626 134坪 分 校 施 設 費 1,764 588 1,076 60坪 産業科施設費 2,205 735 1,470 75坪 事 務 費 593 198 396 中学校産業教育研究指定校設備費 4,500 2,250 市町村負担金
2,250計 44,709 15,653 県負担 26,806
市町村負担2,250
さて本年度の事業を実施するにあたっては,特に
つぎの点を考慮して実施した。
(1)一般施設の充実については現有率10〜70%の
範囲内で,施設を利用する生徒が80名以上である
こと。さらにその施設に関係する設備を相当数所
有している学校を対象とした。なおこのほか方部
別,過去の配分状況等を勘案し,次表のとおり決
定し,事業を進めたが,正式決定が遅れたため約
15%の事業を繰越さざるをえなかったことは残念
である。
(2)設備としては,一般設備費が打切られ,本年
度は特別設備と分校設備のみとなった。特別設備
の配分は現有率が高く,それぞれの課程が県の中
心校であることを条件とした。分校設備について
は,生徒数,現有施設・設備の状況を見て決定し
た。
昭和33年度高等学校産業教育施設充実経費の割当
課程別 対象課程数 工事面積(坪) 構 造 農 業 8 265.5 木造(172.5坪)
鉄骨(93坪)工 業 8 439 木造 水 産 1 50 〃 家 庭 2 65 〃 計 19 819.5
(3)中学校産業教育研究指定校の充実,本年度は