教育年報1958年(S33)-044/83page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

 思うが,このことによって,PTAの芽は新しい

 空気にふれることが出来たのではないかと思う。

 しかしPTAそのものの誕生が戦後でもあり,社

 会の経済事情などにも左右されつつこれからも苦

 難の道であることは,覚悟しなければならない。

 PもTも会員意識を正しくもって,子供たちの幸

 福をねがうためのあらゆる活動をひろげていきた

 いものである。

 (4)実験婦人学級,文部省委嘱婦人学級

  婦人学級がいろいろな姿でひろめられてきた。

 県としても実験的な学級をもって,直接参加して

 いきながら,その土地その土地に相応しい学級運

 営の研究をしていくことが必要ではないかという

 ところから,県と開催地教委との協力のもとにす

 すめられることになった。

 ・白河市第二小学校区婦人学級

 ・信夫郡松川町婦人学級

 委託の希望条件として

 (a)開設者は市町村教育委員会とする。

 (b)学習時間は30時間以上とする

 (c)定員制とする

 (d)学習内容は単に知識を得るだけでなく,学

 習を通して,実生活に役立つよう工夫すること

 (e)婦人学級を効果的にすすめるために必要な

 調査を実施すること

  特に白河市の場合には,社会教育法にもとづい

 た,学校開放の社会学級型態をとることを希望し

 た。

  また,文部省が直接委嘱している各種学級講座

 はつぎのとおりである。

 双葉郡浪江町苅野婦人学級

 石川郡石川町石川  〃

 会津高田町尾岐    〃

 田村郡西田村高野  〃

 磐城市小名浜海友  〃

 福島市第三小学校社会学級

 (5)調査や資料の作成

  調査といっても一口にまとめることはなかなか

 困難であるが,本年度は一応下記のような項目を

 あげて実施してみた。まだまだ調査の域にまでは

 いらない状態であるが,ともか基本的なものとし

 て活用されている。

 (a)本県全域にわたる婦人学級の実施状況なら

 びに問題点

 (b)婦人学級の学習内容の傾向

 (c)県単実験婦人学級開催地の社会的な背景

  資料としてはこれらの調査の結果と各地の実践

 報告などをまとめ,婦人教育をすすめるための参

 考としてきた。

 (a)婦人の小集団学習(昭33・6・1)

 (b)婦人学級研究資料(昭33・9・1)

 (c)正しい婦人会活動をすすめていくために

            (昭33・6・1)

B 協力していったその他の事業

 (1)婦人週間行事

 (2)県婦連会長研修会

 (3) 〃  政治教室

 (4)県PTA大会

 (5)県婦人大会・母親大会

C 今後のこと

 いくつかの事業を通し,目標に向って努力はして

きたが,前途は,まだまだ波乱にとんでいる。

 (1)新しい団体のリーダー養成をしつつも昔なが

 らの組織と,人間関係の中では,その若芽を充分

 にのばしえない。

 (2)婦人学級経営者のなかに教育技術をもってい

 るものが少ない。

 (3)実験婦人学級数を広げねばならない。本県の

 地勢的な違いからいえば都市・農村・漁村・山村

 ・都市近郊など生活環境に差がある。そこで行わ

 れる学習内容も,方法も,運営全般にもそれぞれ

 特徴がもたれていいはずだ。白河市の場合1つの

 こころみとして,話合いを主とし充分に映画フイ

 ルムをとり入れていった。今まで学級のなかった

 この土地にも,その認識が高まると同時に,他の

 学区へもその影響をおよぼしていった。第一小学

 校区へも開設され,第三小学校でも新しいすすめ

 方で実施を計画中,この地のお母さんたちのよろ

 こびようといったらない。再び学級生になりたい

 という希望におされて,婦人学級の学年制がうま

 れそうである。

 (4)その他,女子教育の一環として,婦人教育を

 どのようにすすめていったらよいか,学校教育の

 ような,はっきりした段階をおうことが出来ない

 だけに,その教育計画に幾多の困難がともなって

 はくるが,この辺でなんらかの線を打ちだしてい

 かなければならないのではないか。

 ともかく幾多の困難と,ほのかな灯が交錯しつつ

すすめられていく。この偉大なる努力,そして地味

な仕事への情熱を失わせることなく,為政者も,学

者も,地域の人々も,あたたかい心と心のふれあい

の中でこの活動を展開していきたいものである。

 来年度への期待は大きく,それだけに,前途は苦

難にみちみちているかもしれないが……。

5.文化活動

 〜芸術文化活動の歩み〜


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。