教育年報1958年(S33)-045/83page

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 すぐれた音楽,演劇等の芸術を理解し,鑑賞する

力を高めることは,豊かな生活をするための必要な

条件でもある。テレビ,映画,ラジオ等のマス・メ

デアの驚異的な発達と普及は,すべての人々に対し

てこれが鑑賞の機会を数多く提供している。しかし

ながら,反面これらのメデアを通じて接するものは

必ずしも,すぐれたもの,価値の高いもののみでは

なく,低俗で,たいはい的なものも多い。とくに精

神的に未成熟な青少年に与える影響力は,みのがす

ことはできない。

 自ら芸術創造にたずさわり,文化的な環境を譲成

する活動を営むことは本年度の努力目標でもあった。

 芸術文化の活動の成果は,社会教育の他の部面と

同じように速効的に1,2年で期待できるものでは

なく,過去12年の歩みに一歩積み上げた,一段階と

して考察するのが妥当であろう。

 もとより,県内の文化活動は,県教育委員会によ

ってのみすすめられるものではない。県民全体の水

準をより高めるための仕事として今後とも関係各団

体,機関の一層の協力と努力に待たなければならな

い。具体的な県教育委員会の方針としては

 (1)正しい芸術文化に関心を持つ人口を増加する

 ための普及活動

 (2)文化団体,サークル等の自主的活動を育成助

 長していくこと。

 (3)営利事業としては公演できないような芸術を

 鑑賞する機会をつくる。

 (4)各部門ごとに発表,展示の機会を提供し,交

 流の場をひらくと同時に奨励の方途を講ずる。

 (5)市町村および教育機関等の文化行政の推進と

 相互連絡,協力の体制をつくる。

 このような方向ですすめられてきた,そして今後

もこの方針で努力しなければならない。

A 第12回総合美術展

 昨年度まで,県内の各地で開催された美術展は本

年度から福島市を会場として開催することになった。

 本年度は会場の都合から6月開催が延期され,第

26同県美術協会展と合同して開催された。

 来年度以降の開催についても各部門を展示するだ

けの適当な会場もなく関係者の間に美術館の早期建

設の声が高まっている。

 (1)期日 10月25〜29日

 (2)会場

   第一会場 福ビル(洋画)

   第二会場 四小体育館(日本画,彫刻,工芸)

 (3)入賞(28点)

   入賞者については

   第1章第3節「表彰」を参照

(4)入選ならびに陳列品(614点)

  日本画 洋画 彫刻 工芸
入   選 43 188 31 35 297
審査員及
招待作品
15 36 13 14 78
陳 列 数 58 224 44 49 375


B 第11同県文学賞

 11年の年輪を重ねた,県文学賞は県内に在住する,

文学愛好者の道標として安定した位置をしめてきた。

 本年の応募作品数は,一般の部で98点,青少年の

部で25点を数え質量ともに年々向上の一途をたどっ

ている。

(本年度文学賞授賞については第1章第3節「表彰」

を参照)

 「県文学集」も第6集を発行し,県内外の関係者

に配布した。スペースの都合で掲載作品は県文学賞

受賞者に限られてしまったが,この文学賞応募者の

中から芥川賞の候補作品(真崎浩氏)が出ているこ

とは注目すべきことである。(92ページ,500部発行)

C 第12同県合唱コンクール

 本年度から合唱連盟の自主性を生かして,開催地

教育委員会とともに共催で運営することにした。過

去11年間育成の結果,年を追うて参加団体も多くな

り水準も高まってきた。

 (1)期日 10月11日 高校の部

        12日 一般の部

 (2)出場団体 高等学校  34

   青年団        7

   職  場        2

   一  般        9

 (3)会場 郡山市 市民会館

 (4)審査員   大中恩

         藤井典明

         小船幸次郎

 (5)入賞

部  門  最優秀       優 秀

高  校  本宮高校    安積女,会津女,福高

青年団  常磐連青スパローコーラス 坂下青年,勿来連青

職  場  国鉄郡山工場

一  般  FMC混声     郡山混声,郡山ローリング,須賀川混声

D 第11回全日本合唱コンクール

 本大会は従来,東京,大阪,名古屋のような大都

市において開催されてきたが,郡山市民会館の落成

を記念し,朝日新聞社,郡山市と共催のもとに全国

6地区より4部門計24の合唱団の参加をえて開催さ

れた。本県は大学の部を除き,東北地区大会におい

て各々第1位に入賞し,さらに全国大会においては,


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