教育年報1958年(S33)-050/83page
§ 6 保健体育
1.概 要
昭和33年度保健体育課の歩みは新しい道への開拓
が2,3あって,まことに多忙な年であったといえ
る。
「学校保健法」が10月1日から施行され,それに
伴なう趣旨徹底の講習会や研修会を行い,さらに各
地方において自主的にもそれぞれの立場から研究会
などを開催された分について指導助言を行った。
児童の結核管理対策については,本年5月より,
県立大野病院内に「養護学級」を設置したほか,
須賀川市教委の要請により同市内の国立福島療養所内
にも同様の学級が設置された。ここに治療しながら,
義務教育課程の学習も修めることのできる新しい施
設を開いたものである。
学校体育の振興はまず指導者の資質向上にあると
の観点から,「体育指導者養成講座」を行いさらに
各出張所単位の伝達講習会を通じ各学校における実
技を中心とした指導方法の徹底を図った。
特に小中学校学習指導要領の改訂が発表され,こ
れにともなう趣旨徹底の講習会に関係者の派遣を行
い,さらに県内におる。これが伝達講習会等により
移行措置を指導した。
社会体育について特に留意した点は体育指導委員
の活動をどのようにするかという点にあった。指導
員数も少く,身分上の問題もあって,目立った活動
もできなかったが,各出張所単位にモデル的なもの
を設定し,いろいろなケースによる問題点を捉えて
研究し合い,新年度の活動や運営に貴重な資料を残
した。
スポーツの振興についても5カ年の年次的計画を
樹立し,青少年体力の向上と日常生活に結びつく軽
スポーツの普及など広い健民運動の面を開拓してき
た。第1回の中学校総合体育大会もこの線に沿う一
端である。
学校給食に対する普及と関心は急激に高まって来
た,国庫補助の申請も非常に多くなった。今年は,
特に農村地域における給食実施に努力をつづけてき
たのである。
以上のことは保健体育課の分掌事務内容からみた
主なものについて述べたのであるが,行政上の指導
育成に関するものには,体育協会・高体連・中体連
・保健協会・学校給食会・体育研究会などと各種団
体がある。
またこれらの連絡指導の公報活動としては
・保健主事だより……(保健協)
・体育時報……(県教委) 4〜9号まで
・体育……(体研,教委)
・保健主事必携(11月)
・体育講習会資料(4月)
・保健研究大会集録(こころの健康―12月)
・体育研究大会集録(12月)
・モデル市町村のあゆみ(34.2月)
・体育指導委員助言指導の参考(4月発)
・野外活動(7月発)
2.学校保健教育
A 第7回学校保健研究大会
5月17・18日の両日,須賀川市立第一中学校にお
いて開催した。参加人員約700名,開会式・表彰式
・研究発表・講演・分科会および分科会結果発表等
あり盛会であった。特別講演「こころの健康」と題
する杉靖三郎博士の講演は深い感銘をあたえた。こ
の席上,勤続48年の三本菅直恵校医(田村岩江小)
を始めとして学校保健に永年尽力された功労者外8
名が万雷の拍手の裡に表彰された。
なお研究発表者も例年になく多くしかも研究内容
が充実していた。特に田代武二,田代隆一
(須賀川一小校医)親子二代にわたる「むし歯罹患状況なら
びに予防対策について」は貴重なる研究発表として
高く評価された。
本会が各方面にわたり遂年向上発展していく状況
がうかがわれよろこびにたえない。
B 学校保健研究集会
6月中旬から7月上旬にわたって,会津若松・
福島・郡山・平の各市において開催した。対象者は市
町村教育長ならびに,小・中・高および盲ろう学校
の各学校の校長であり,講議題は「学校保健の諸問
題」「学校保健法の解説」「インフルエンザ予防対
策」についてであった。参加者延約800名
講師 保健体育課長 鈴木勝枝
〃 指導主事 鈴木善兵衛
〃 技師 猪野登喜子
C 保健主事研修会
昭和33年4月10日学校保健法が公布施行され,学
校教育法施行規則が一部改正されて,保健主事が必
置されたので,県学校保健協会と共催で保健主事を