教育年報1958年(S33)-054/83page
学校の研究授業の公開と研究発表会は県内各学校に
益するところ絶大なるものがあった。
全体を通じて最も努力が払われたのは,各学年別
の目標および内容を,どのように実際の取扱いに現
すかということと,到達基準の設定であった。各校
それぞれ運動能力の到達目標は一応できたが,34年
度はさらに実施を願い,全県下にも実施し本県とし
ての目標を立てたい。それにしてもこれらの学校の
資料は貴重なものとなった。
E 学校ダンス実技講習会
この講習会は,小中学校の体育指導担当の教師を
対象として,リズム運動,ダンスの実技研究をなし,
教材の発展酌取扱いに力を注ぎ,学校体育の向上を
はかるものである。
a 期 日 9月13・14日
b 場 所 若松市立一箕小学校
c 参加者 約30名
d 講 師 福島大学学芸学部助教授 西間木リツ
本県では比較的学校ダンスの指導者が足りない現
状から,この実技講習会には大きな期待をかけてい
たもめであったが,時期的に思わしくなかったので,
受講者は少なかった。また講習内容は,改訂指導要
領の解説をも含めたのであったが,この趣旨が徹底
しないきらいがあった。今後は少くとも県内数カ所
で,これが向上をはかるよう計画したい。
F 第1回東北体育研究大会
東北地方を一丸とした体育関係者の参集のもとに,
この大会を開催し,それぞれ専門的立場から,学理
的研究と実践方法的研究を行い,もって保健体育の
向上をはかる。
a 期 日 10月11日
b 場 所 福島県教育会館
c 特別講演 順天堂大学教授 野口源三郎
演題 「改訂学習指導要領について」
d 研究発表 9名
e 協議題
(1)豊かな社会性の発展を期す体育指導は如何に
あるべきか
(2)運動能力測定における到達目標の設定につい
て
f ミンポジゥム
「体育と道徳教育について」
g 参会者 約300名
h 研究集録・日程・役員・講演内容・研究発表要
約等につき集録を編集 1部100円
この大会は,小学校から大学までの指導者の集会
で,いわば体育学会的なもので,学理的な研究発表
に終り現場の切実な問題とかけ離れがちであるが,
本大会は身近かなものをとらえ誠に有効適切であっ
た。特に改訂学習指導要領の講演は有意義であった。
G 冬期大学体育指導者実技講習会(スキー)
積雪地方の教職員に,スキー実技の研修をなし,
もって学校体育の向上をはかるのがこの講習会のね
らいである。
a 期 日 昭和34年1月16〜18日3日間
b 場 所 沼尻スキー場
c 参加者 約30名
d 講 師 福島大学学芸学部
教 授 菊地哲男
助教授 鈴木勝衛
多少雪積量は少なかったが,講習内容は非常に適
切であり,受講者は会期を1日延長の希望もあった。
単位授与の計画はなかったが,受講者からこの点に
ついても希望があったので今後は期間とこれについ
て検討したいと考えている。
H 小学校教育課程の移行措置について
a 学校体育の指導で最大の努力を払ったのは,改
訂指導要領の趣旨徹底にあった。各出張における伝
達講習会,自主的団体の講習会特に研究指定校の中
間指導および中間発表会等,あらゆる機会をとらえ
て,これが解明に努めた。
b 昭和34年2月6日,移行措置についての文部次
官通達が出されたので,「体育」新聞を発行して,
これが移行方法の具体的事項について解説をなし各
学校に配布した。今後はさらに学習指導の実際につ
いて指導をしていく計画である。特に小中学校の改
訂指導要領の解説書を編集発行する予定である。
5.学校給食推進のための事業
文部省の「昭和33年9月30日現在学校給食実施状
況調」資料によると東北地方の学校給食普及状況は
山形県を除いては全国平均普及率を下回りまた他の
地方の都府県と比較しても非常に低位の現状にある。
ちなみに本県における普及状況についても全国的
にみた場合非常に低調であり(別表1参照)また同
じ県内でもその普及率が方部別により相当の地域差
がみうけられるのが実情である。(別表2参照)
したがって昭和33年度保健体育課努力事項として
学校給食関係では「学校給食の普及充実」を重点施
策にとりあげ,これにともなう各種事業を推進し,
県内における普及充実に拍車をかけてきた結果,最
近とみに学校給食実施の気運が各地にもりあがって