教育年報1958年(S33)-075/83page
予算
年令別購入册数
及び金額昭和30年度
725册 内訳 国庫補助金分 県費分 200,000円 555册 370册 120,000円 80,000円 昭和31年度 767册 内訳 国庫補助金分 県費分 153,450円 497册 270册 100,000円 53,450円 昭和33年度 957册 内訳 国庫補助金分 県費分 193,980円 508册 448册 100,000円 93,980円 昭和33年度 876册 内訳 国庫補助金分 県費分 20,000円 289册 587册 70,000円 130,000円
県立図書館においては,県教育委員会を通じ,県
教育委員会事務局出張所に連絡の上,巡回文庫を出
張所に送付し,出張所においては市町村教育委員会
連絡協議会ならびに公民館連絡協議会,郡市連合青年会
と協議の上管内利用を決定し,地方教育委員会,
公民館を通じて青年団体,青年学級生等にこれが文
庫の貸出を行っている。
この文庫は一般の巡回文庫と同じように1箱30冊
程度を固定編成したものであるが,この読書傾向を
みると,やはり文学関係が最も多く,つぎが社会科
学・産業・歴史・哲学・その他の順となっている。
いつまでも果してこういう傾向でいいのかどうか。
この青少年巡回文庫は,昭和30年度文部省よりの
補助によってはじめて実施されたものであり,青少
年の教養向上のために大きな期待がもたれて出発し
た。
本館においては,この補助金にさらに県費を加え,
貸出文庫用図書の一部をこれにさき,昭和30年度は
1,099冊を36箱に,31年度は1,476冊を50箱に,32年
度は2,469冊を81箱に増加して,県教育委員会事務
局出張所の協力のもとに,同管内の青少年団体,青
年学級生等の利用に供してきた。33年度にいたって
は,3,615冊を121箱に増設し,県内市町村数と同数
の箱数を準備するにいたった。
青少年巡回文庫配置状況 (昭和33年度)
出張所 配置文庫数 配置図書数 信夫 7 211 伊達 7 205 安達 7 217 安積 11 331 岩瀬 5 152 南会津 7 205 北会津 5 150 耶麻 7 205 両沼 9 275 西白河 8 234 東白川 5 151 石川 6 176 田村 9 283 石城 12 358 双葉 10 285 相馬 6 177 計 121 3,615
青少年巡回文庫読書傾向
分類別 比率 総記 0.47 哲学 3.31 歴史 3.43 社会科学 6.87 自然科学 2.30 工学 1.41 産業 4.09 芸術 2.09 語学 0.63 文学 75.40 計 100.00
C 移動図書館
昭和29年から実施の移動図書館「あづま」号は,
会津・県中・県南・浜通り・県北の5コースにわけ
て年間2回の運行をなしている。
毎回おおよそ2,000冊の図書を積載して74カ所の
ステーションに停車,その地域の社会教育関係団体
代表者の参集のもとに読書普及・読書会の結成・読
書会の運営などについて懇談し,指導助言を行いな
がら図書の貸出を実施した。
各駐車場の共通的な問題点
a 学校の駐車場は,場長,係員が毎年異動によっ
て変更し,事務引継等も完全に行われず,運営につ
いて支障をきたす。
場長の任免が明確でなく釈然としない。図書館と
してもこの際,駐車場設置の教育委員会にたいして
何らかの手を打つ必要がある。
b 駐車場管内の公民館が充実しつつある現状から
みて,公民館図書部の図書整理・保管について,県
立図書館は積極的に指導すべき時期である。ほとん
どの公民館は単に原簿に記入している程度で処理し
ているが,将来を考えると,1日も早く技術的専門
的講習を行うべきである。
C 利用している層が固定している傾向がある。あ
る駐車場では教育,農協職員,役場吏員,郵便局員
に限られているところもあった。主体は農村青年,
婦人団体におくことを指導すべきである。
d 地域によっては駐車する場所を変更する必要が
あり,特に読書に低調な部落を指定するのもひとつ